ロシア軍とウクライナ軍 キエフめぐり攻防続く 停戦交渉は継続

ウクライナで侵攻を続けるロシア軍は首都キエフの包囲に向けて部隊を進め、ウクライナ軍がロシア軍の補給部隊に反撃をくわえるなど、攻防が続いています。
両国は停戦に向けた次の交渉を14日、オンライン形式で行うとしているものの、具体的な成果に結び付くかは、依然、不透明な情勢です。

アメリカのシンクタンクによりますと、首都キエフをめぐってロシア軍は北西と西、それに東の3方向から包囲しようと部隊を進め、これに対してウクライナ軍がロシア軍の補給部隊に反撃を加えるなど攻防が続いています。

また、ウクライナの公共放送は南部のミコライフへの攻撃で、9人が死亡したほか、北部のチェルニヒウでは夜間の攻撃でアパートなどが被害を受け1人が死亡したと、13日、伝えました。

さらにウクライナの軍当局は13日、西部のポーランド国境近くにある軍の施設「国際平和維持治安センター」が空爆を受けたことを明らかにし、地元の知事は少なくとも35人が死亡したとしています。
避難民の数は増え続け、UNHCR=国連難民高等弁務官事務所のまとめによりますと、ウクライナから国外に避難した人の数は12日時点で269万人を超えました。

このうち、およそ6割に当たる165万人余りがポーランドに避難したということです。

このほか、ハンガリーに避難した人が24万人余り、スロバキアが19万人余り、モルドバが10万人余り、ルーマニアが8万人余りなどとなっています。

また、ロシアに避難した人も10万人余りとなっていて、ロシア語を話すロシア系住民も避難を始めているとみられます。

ロシア国内では、軍事侵攻に反対する市民の抗議活動に対してプーチン政権の厳しい取締りが続き、ロシアの人権監視団体によりますと、軍事侵攻が始まった先月24日以降、これまでにロシア国内で抗議デモに参加し、拘束された人は累計で1万4900人以上に上るということです。

両国の代表団は停戦に向けた交渉をオンライン形式で続け、ウクライナのポドリャク大統領府顧問と、ロシアのペスコフ大統領報道官は次の交渉は14日、オンライン形式で行うとしています。

しかし、ウクライナの「中立化」や「非軍事化」を求めるロシア側の姿勢に変わりはないとみられ、ロシア軍の攻勢が強まる中、交渉が具体的な成果に結び付くかどうかは、依然、不透明な情勢です。

ゼレンスキー大統領 首脳会談に臨む意欲示す

ウクライナのゼレンスキー大統領は13日、SNSに動画を投稿し、ロシアとウクライナの停戦に向けた交渉について「両国の代表団は、毎日、ビデオ会議をしている。われわれの代表団には明確な任務があり、それは両国の大統領の会談が実現するよう可能なかぎりのことをすることだ。会談は人々が求めていることだ。困難だが必要な道だ」と述べ、代表団による交渉などを踏まえてプーチン大統領との首脳会談に臨む意欲を示しました。