ロシアとウクライナ 侵攻後初の外相会談 隔たり埋められたか

ロシア軍が侵攻を続けるウクライナ情勢をめぐり、ロシアのラブロフ外相とウクライナのクレバ外相が、トルコ政府の仲介で初めての会談を行いました。
停戦を求めるウクライナに対し、ロシアは、「中立化」や「非軍事化」を要求する強硬姿勢を示していて、主張の隔たりがどこまで埋められたかが焦点です。

ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始して10日で2週間となり、国連人権高等弁務官事務所によりますと、8日までに子ども37人を含む少なくとも市民516人の死亡が確認されたということです。

このうち東部の都市マリウポリの地元当局は、産科などが入る病院が9日にロシア軍の攻撃を受け、女の子1人を含む3人が死亡し、17人がけがをしたと発表しました。

ロシア国防省は10日、マリウポリ市郊外の複数の地区を掌握したとしていて、さらなる犠牲が懸念されます。

こうした中、ロシアのラブロフ外相とウクライナのクレバ外相が、トルコ政府の仲介で、軍事侵攻が始まって以来初めてとなる対面での会談をトルコ南部のアンタルヤで日本時間の午後5時すぎから行いました。

会談は先ほど終わり、この後、両外相は個別に記者会見を開く予定です。

ウクライナ側は、最近、これまで目指してきたNATO=北大西洋条約機構への加盟には当面は、必ずしもこだわらない考えを示し、ウクライナの中立的な地位についても議題になり得るとしていて、外相会談で意見が交わされた可能性があります。

また、ウクライナのゼレンスキー大統領とプーチン大統領との首脳会談の開催の可能性についても議論されたとみられます。

ただ、ウクライナ側が停戦やロシア軍の撤退を求めているのに対し、プーチン大統領は停戦の条件として、ウクライナがNATOに加盟しないことを法的に保証する「中立化」に加え、「非軍事化」なども強く要求しています。

ロシア軍は、首都キエフの包囲に向けて軍の部隊を進めるなど、各地で攻勢を強めていて、初の外相会談を契機に、双方の主張の隔たりがどこまで埋められたかが焦点です。