国連安保理 ウクライナの女性の人道状況 懸念を示す発言相次ぐ

国連の安全保障理事会は「国際女性デー」に合わせて、女性と安全保障をテーマに会合を開き、各国からは、ロシアが軍事侵攻したウクライナで、女性の人道状況が悪化しているとして、懸念を示す発言が相次ぎました。

「国際女性デー」の8日、国連安保理では女性と安全保障をテーマにした会合が開かれ、各国からはふだんの会合より多くの女性が出席しました。

会合では、ロシアが軍事侵攻したウクライナで、女性の生命や尊厳が守られる人道状況が悪化しているとして、懸念を示す発言が相次ぎました。

このうち、ノルウェーのユール国連大使は、ロシアの軍事侵攻を改めて非難したうえで「ウクライナの女性に対する暴力や人身売買のリスクが高まっている」と、強い懸念を示しました。

また、アメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は、避難所で出産せざるをえないなど、ウクライナの女性たちは想像を絶する選択を迫られていると指摘したうえで「ロシアが対話に戻るならば、女性も関与し続けなければならない。それが持続可能な平和を確保する可能性を高める」と述べました。

そしてウクライナの代表も、「女性や子どもたちはロシア軍の事実上の人質となっている。避難することも許されず、支援物資も届かない」と述べ、ロシア軍を止めるよう国際社会に訴えました。

一方、ロシアのクズミン国連次席大使は、この8年間、ウクライナ東部では、ウクライナ軍の攻撃で多くの女性が犠牲になってきたとして、軍事作戦は平和をもたらすためのものだと主張しました。