フォルクスワーゲンやイケアなど ロシアでの事業見合わせ

ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、自動車メーカーのフォルクスワーゲンや家具を扱うイケアなども相次いでロシアでの事業見合わせを決め、企業のロシア離れが一段と広がっています。

ドイツの大手自動車メーカーフォルクスワーゲンは3日、ロシアにある工場での生産を停止すると発表しました。

また、ロシアへの輸出もすみやかに取りやめるとしています。

スウェーデンが発祥の家具大手イケアは、ロシアの店舗で営業を取りやめ、製品の輸出入や現地の生産を停止することを決めました。

ロシアと同盟関係にあるベラルーシとの間の輸出入も停止するとしています。

さらに、スウェーデンの衣料品大手、H&Mもロシアでの営業をすべて取りやめることを決めました。

こうした動きの背景には、ウクライナに軍事侵攻したロシアに対する世界的な非難が強まる一方であることに加え、各国の制裁措置で現地でサプライチェーンの混乱が起きていることなどがあり、世界の大手企業のロシア離れが一段と広がっています。

ロシア 大勢の市民がイケアの店舗に殺到

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて、世界の大手企業の間では、ロシア離れの動きが加速し、ロシアの市民生活に影響が出始めています。

このうち、スウェーデン発祥の家具大手イケアは、3日に声明を発表し、ロシアでの事業を一時的に停止すると明らかにしました。

イケアの商品はロシアの幅広い世代に人気で、首都モスクワでは発表を受けて、3日、大勢の市民がイケアの店舗に殺到し、長い行列ができました。

また南部のロストフ・ナ・ドヌーの店舗にも、買い物客が押し寄せ、レジは、大量の商品を乗せたカートで大混雑していました。

訪れた女性は「来月に予定していた買い物を、急きょ前倒しした。とても動揺しているし、悲しい」と話していました。

また別の男性は「ほとんど売り切れで、欲しいものが買えなかった」と話していました。

イケアは声明の中で「ウクライナでの壊滅的な戦争は人類の悲劇だ」と軍事侵攻を非難する一方、1万5000人にのぼる現地の社員やスタッフについては「雇用と安定した収入を守る」と擁護する姿勢を示しています。