ロシア ウクライナ首都掌握へ攻勢強める 南部の都市制圧も

ウクライナに軍事侵攻したロシア軍は、首都キエフの掌握に向けて攻勢を強めています。プーチン政権は停戦をめぐる交渉をウクライナ側が拒否したと主張して軍事作戦を続ける構えで、今後首都をめぐる攻防が激化する可能性も出ています。

ウクライナに侵攻したロシア軍は26日も各地で攻撃を行い、首都キエフでは中心部にある高層アパートでロシア軍の地上部隊からとみられる攻撃があったほか、市内で爆発音や銃撃音が伝えられています。

ウクライナ内務省の高官によりますと、キエフ市内にあるウクライナ軍参謀本部の施設の近くにある橋がロシア軍によって攻撃されたということです。

ロシア軍はこれまでにウクライナ国内の821の軍事施設を破壊し、南部のクリミア半島にも近い都市メリトポリを制圧したとしています。

ロシア軍はキエフの掌握に向け攻勢を強めていますが、アメリカ国防総省の高官によりますとウクライナ側も激しく抵抗しているということです。

ウクライナのゼレンスキー大統領は「わが軍はキエフや周辺の主要都市をコントロールできている」としたうえで、抵抗を続ける姿勢を示しました。

一時は停戦交渉の動きも… ロシア側が主要部隊の進撃再開

ロシアとウクライナの間で動きが出ていた停戦の交渉をめぐり、ロシア側はウクライナの非軍事化・中立化が条件だとしていましたが、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、プーチン大統領が25日にいったん攻撃の停止を命じたものの、ウクライナ側が交渉を拒否したとして、26日午後、ロシア軍の主要部隊の進撃を再開したと述べました。

ロシア国防省の報道官も「すべての部隊が全方向で攻勢を展開するよう命令を受けた」と述べました。

これに対しウクライナ大統領府は「交渉を拒否したと言うが彼らの戦術にすぎず、交渉前から袋小路に追い込もうとしている。最後通牒(つうちょう)は受け入れられない」と非難しました。

停戦に向けた交渉の動きが完全に途絶えたかどうかは不透明ですが、ロシア軍が首都に向けて部隊をさらに進める構えを強めていることで、今後首都キエフをめぐる攻防が激化する可能性も出ています。