【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(27日の動き)

ロシアは24日、ウクライナに対する軍事侵攻に踏み切り、ロシア軍とウクライナ軍の戦闘が続いているとみられています。
ロシア、ウクライナ、アメリカ、そして日本などの27日(日本時間)の動きを随時更新してお伝えします。
(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

日本時間23:00すぎ~ G7外相 緊急会合

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナ情勢をめぐり、G7=主要7か国の外相による緊急会合が、オンライン形式で開かれています。

ロシアに対する追加の制裁措置などを含めた今後の対応について協議しているものとみられます。

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナ情勢をめぐり、G7は、外相による緊急会合を、日本時間の27日午後11時すぎからオンライン形式で開き、林外務大臣も出席しました。

会合ではロシア軍とウクライナ軍による戦闘が続いている現地の状況について、各国がそれぞれ把握している情報を共有し、情勢の分析を行ったものとみられます。

そして、G7として、ロシアによる軍事侵攻はウクライナの主権と領土の一体性を侵害する重大な国際法違反であり、力による一方的な現状変更を認めない立場を重ねて確認するとともに、各国によるウクライナへの支援策や、ロシアに対する追加の制裁措置を含めた今後の対応について協議しているものとみられます。

ドイツ 国防費をGDPの2%以上に引き上げへ

ドイツのショルツ首相は27日、連邦議会で演説し、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻によってヨーロッパの安全保障が脅威にさらされているとして「自由と民主主義を守るために安全保障により多く投資しなければならない」と述べました。

そのうえで、ことし、連邦軍の増強に1000億ユーロ(日本円でおよそ13兆円)を新たに投じるとともに、今後の国防費を毎年、GDP=国内総生産の2%以上に引き上げる方針を明らかにしました。

ドイツは過去の戦争の反省から軍備増強に消極的な世論が強く、2021年の国防費はGDPのおよそ1.5%と、NATO=北大西洋条約機構の加盟国の目標である2%を下回っていましたが、これまでの方針を大きく転換することになりました。

首都キエフ 火炎瓶作る市民の姿も

ウクライナに軍事侵攻したロシア軍が地方の主要都市で攻勢を強める中、首都キエフの街なかでは27日、ワインの空き瓶などを使って火炎瓶を作る市民の姿が見られました。

ウクライナ国防省は、2014年に「領土防衛部隊」を結成し、市民に対して銃など武器の扱い方などの講習を行っていて、非常時には最大12万人が編成される見通しで、軍の指揮下に置かれることになります。

また、1月には「国家レジスタンス基本法」が施行され、ロシア軍が侵攻してきた場合、市街戦になることも想定し、国民が一丸となって抵抗するとしています。

ロシアとウクライナ 代表団が会談へ

ロシア軍によるウクライナへの侵攻をめぐりウクライナのゼレンスキー大統領は、27日、ウクライナの代表団がロシア側と会談することを明らかにしました。

会談は、ウクライナとベラルーシの国境付近で行われる予定で、前提条件なしで会うことで合意したということです。

ゼレンスキー大統領は25日、「人々の命が失われるのを防ぐため、交渉のテーブルにつこう」と述べ、プーチン大統領に話し合いを求めていました。

ロシア大統領府のペスコフ報道官もウクライナとの交渉に向けて、代表団をベラルーシにすでに派遣したと明らかにしていました。

双方の会談で停戦をめぐる交渉が行われるかが焦点です。

プーチン大統領 抑止力を特別警戒態勢に引き上げるよう命じる

ロシアのプーチン大統領は27日、ショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長と会議を行い、「NATO=北大西洋条約機構の主要な加盟国がロシアに対して攻撃的な発言をしている」と述べ、抑止力を特別警戒態勢に引き上げるよう命じました。

核戦力を念頭にした発言とみられ、ウクライナへの軍事侵攻をめぐり最も厳しいとされる経済措置に踏み切る欧米を強くけん制したものです。

ゼレンスキー大統領 “ロシアを国際司法裁判所に提訴”

ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、「ウクライナはロシアに関する書面を国際司法裁判所に提出した。ロシアは大量虐殺の概念を操作して侵略を正当化した責任を問われなければならない」とツイッターに投稿し、ロシアを提訴する手続きを行ったことを明らかにしました。

その上で「われわれはロシアによる軍事行動を今すぐやめさせる緊急決定を行うよう、国際司法裁判所に要請している」として、関連する審理が来週にも始まることに期待を示しました。

岸田首相 ロシア政府関係者らの資産凍結など制裁措置を決定

岸田総理大臣は27日夜、記者団に対し、ロシアのプーチン大統領を含むロシア政府関係者らについて資産凍結などの制裁措置を決定したことを明らかにしました。

また、アメリカやヨーロッパ各国からの要請を踏まえ、SWIFTと呼ばれる国際的な決済ネットワークから、ロシアの特定の銀行を締め出す措置に日本も加わる方針を示しました。

岸田首相 公邸でウクライナ情勢の報告受ける

ウクライナ情勢をめぐり、岸田総理大臣は27日夕方、およそ1時間、総理大臣公邸で秋葉 国家安全保障局長や外務省・防衛省の幹部らから、ロシアによる軍事侵攻の状況や各国の動向などについて報告を受けました。

続いて、萩生田経済産業大臣や資源エネルギー庁の保坂長官から、エネルギー価格の状況や今後の対応などについて説明を受けました。

日本時間16:00ごろ ウクライナの教会で平和の祈り

ロシア軍による侵攻が始まって初めての日曜日となる27日、ウクライナ西部の都市リビウの教会で行われたミサでは、神父が「団結しましょう。今は助け合うことが大切です」と呼びかけ、集まった人たちが平和を願って祈りをささげていました。

ゼレンスキー大統領 ベラルーシでの交渉は拒否

ウクライナのゼレンスキー大統領は27日に公開した動画で、ロシア側がウクライナとの交渉のためベラルーシに代表団を派遣したとしていることについて、「ベラルーシからの攻撃がなければそこで話し合えたはずだ」と述べ、ロシアによる侵攻に加担しているとしてベラルーシでの交渉を拒否しました。

一方でその代わりとなる場所としてポーランドや、スロバキア、ハンガリー、トルコ、それにアゼルバイジャンの都市の名前を挙げたうえで「話し合いは誠実なものとなり、戦争に終止符を打つことができる」と述べて別の場所であればロシアとの交渉に応じる考えを示しました。

国連 民間人の死者少なくとも64人

ロシア国防省は27日、これまでにウクライナ軍の軍事施設、975か所を破壊したと伝えました。この中には、23の軍の指揮所のほか31の地対空ミサイルシステムが含まれるということです。

一方、ロシア軍の攻撃によってウクライナ側では民間人の犠牲者も相次いで報告され、OHCHR=国連人権高等弁務官事務所は、ウクライナ側の民間人の死者は少なくとも64人にのぼるとしています。また、数百の民間住宅が被害を受けたほか砲撃によって複数の橋や道路が破壊され、一部の地域では停電や断水が起きているということです。

ロシアがウクライナとの交渉のため代表団派遣

ロシア大統領府のペスコフ報道官は27日、ウクライナとの交渉のため、代表団をベラルーシ南東部のゴメリに派遣したと明らかにしました。一方、ウクライナのゼレンスキー大統領の反応についてロイター通信は、ロシアによる侵攻に加担しているとしてベラルーシでの交渉を拒否する考えを示したものの、ほかの地域での交渉には応じる姿勢だと伝えています。

楽天グループ 三木谷社長 ウクライナに10億円を寄付へ

ウクライナに事業拠点がある楽天グループの三木谷浩史社長は、ウクライナを支援するために、個人として10億円を寄付することを明らかにしました。

あわせてウクライナのゼレンスキー大統領に宛てた文書も公開し、「いわれのない攻撃に対して勇敢に抵抗する姿を見て、日本から何ができるかと考えた」としたうえで、暴力の犠牲になっているウクライナの人々を救う人道的な活動のために使ってほしいと求めています。

日本時間15:00ごろ 北東部の都市ハリコフ 中心部で戦闘

ウクライナ政府などによりますとロシア軍は、ウクライナ北東部のハリコフに侵攻し、中心部でも戦闘が始まったということです。地元の州知事は、自身のフェイスブックで住民に対してシェルターにとどまり外出しないよう呼びかけています。
ハリコフをめぐっては、アメリカ国防総省の高官が26日、ロシア軍が周辺まで迫りウクライナ軍が激しく抵抗を続けていると明らかにしていました。

日本時間14:30頃 東京・渋谷で抗議集会

東京・渋谷では日本に住むウクライナやロシアの人たちなどが参加する抗議集会が開かれ、「戦争反対」などと声をあげました。

主催者によりますと、およそ1000人が参加したということで、集まった人たちは「プーチンを止めろ」と日本語や英語で書かれたプラカードや「ウクライナに平和を」と書かれた横断幕を掲げたりしながら「戦争反対」などと声をあげていました。

国連事務総長がウクライナ大統領と電話会談

国連は26日、グテーレス事務総長がウクライナのゼレンスキー大統領と電話で会談したと明らかにしました。この中でグテーレス事務総長は、ウクライナへの人道支援を強化する考えを示し、来月1日には、緊急人道支援のための資金拠出を国際社会に呼びかけると伝えました。一方のゼレンスキー大統領は、会談後、ツイッターに投稿し、ロシアの国連安全保障理事会での投票権を剥奪すべきだと、グテーレス事務総長に訴えたということです。

米バイデン大統領「ロシアは長期的に深刻な代償を払う」

アメリカのバイデン大統領は26日に公開されたインターネット上で影響力があるアメリカのインフルエンサーとのインタビューで、ロシアのウクライナへの軍事侵攻をめぐる対応について、「選択肢は2つある。ロシアとの戦争に突入し第3次世界大戦を始めるか、国際法を真っ向から否定する行為をした国に代償を払わせるかだ」と述べました。

そのうえで、アメリカなどが科す制裁でロシアは、長期的に深刻な代償を払うことになると警告しました。

日本時間8:30ごろ ロシア軍がパイプラインを爆破

ウクライナのメディアは、27日午前1時半ごろ、ロシア軍が、北東部のハリコフのガスパイプラインを爆破したと伝えました。
ウクライナの政府機関がSNSに投稿した映像では、夜空に炎と煙が高く上り、大きく広がる様子が映っていて、大規模な爆発が起きた様子がうかがえます。
けが人の情報は明らかになっていません。

林外相 G7外相による緊急会合で連携確認へ

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナ情勢をめぐり、林外務大臣はNHKの日曜討論で、G7=主要7か国の外相による緊急会合を、日本時間の27日夜、オンライン形式で開くことを明らかにし、事態の改善に向け、各国との連携を、改めて確認したいという考えを示しました。

アメリカなど 国連総会の緊急特別会合の開催を提案

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐり、アメリカなどは、すべての国連加盟国が参加できる国連総会の緊急特別会合の開催を提案し、安全保障理事会で開催するかどうかを決める採決が行われることになりました。

アメリカとしては、すべての国連加盟国が参加できる国連総会の場でロシアの国際的な孤立を一層際立たせ、圧力を強めたい考えです。

米バイデン政権高官「戦争を選んだ結果だ」

アメリカのバイデン政権の高官はヨーロッパ各国などと、SWIFTと呼ばれる国際的な決済ネットワークから、ロシアの特定の銀行を締め出す措置を実行することで合意したことを受けて、記者団に「プーチン大統領が戦争を選んだ結果だ」と述べました。

そして、SWIFTから締め出す対象となる銀行については「欧米がすでに制裁を科している銀行が最初に検討されるだろう」と述べました。

日本時間7:00 “SWIFT”からロシアの銀行締め出す制裁へ

アメリカのバイデン政権は、アメリカとヨーロッパ各国などがSWIFTと呼ばれる国際的な決済ネットワークから特定のロシアの銀行を締め出す措置を実行すると発表しました。今後数日以内に実施するとしています。
ロシアの軍事侵攻に対し各国が協調して、最も厳しい措置の1つとされる経済制裁に踏み切ることになりました。

ドイツ ウクライナへ軍事支援 慎重姿勢を転換

ドイツは政府報道官が26日、声明を発表し、1000の対戦車兵器と携帯型の地対空ミサイル「スティンガー」500基をできるだけ早期にウクライナに供与すると発表しました。ドイツは紛争地域などへの武器の供与には慎重な立場をとり、ウクライナに対してもこれまで殺傷力のある兵器の供与は行わないとして軍用ヘルメットの供与などにとどめていましたが、ロシアによる軍事侵攻を受けて方針を転換した形です。

オランダ政府もウクライナからの要請を受けて「スティンガー」200基を供与すると発表しました。

ロシア軍 キエフ北方30キロまで到達か 米国防総省分析

アメリカ国防総省の高官は26日、ロシアによる軍事侵攻の状況を明らかにし、ロシア軍はウクライナの国境周辺に展開していた戦闘部隊のうち、これまでにおよそ50%の戦力をウクライナ国内に投入し、一部はウクライナの首都キエフの30キロ北にまで到達していると分析しています。
ウクライナ軍は首都キエフ周辺と北東部のハリコフ周辺で激しい抵抗を続けているということです。
南部ではロシア軍が進撃を続けていて、アゾフ海に面するマリウポリの西側では数千人の部隊が展開し、西方向にある都市ヘルソンに向かって進んでいるということです。

ロシア軍はこれまでに弾道ミサイルなどを合わせて250発以上発射し、インフラや住宅地に被害が出ているとしています。
ロシア側はウクライナの制空権を奪っておらず、現時点でどの都市も制圧できていないと分析していますが「状況は刻一刻と変わりうる」として、事態を注視する考えを示しています。

ロシア当局 政権批判のメディアへ言論統制強める

ロシアでは、ノーベル平和賞を去年受賞したムラートフ氏が編集長を務める新聞「ノーバヤ・ガゼータ」をはじめ、一部の独立系メディアが軍事侵攻を批判する報道を続けています。

メディアの監督にあたるロシアの政府当局は26日、「ノーバヤ・ガゼータ」など一部のメディアを名指ししながら「軍事作戦を『攻撃』とか『侵攻』と表現するなど、現実とは異なる情報が出ている」などとして政府の公式発表以外の情報源で現地の被害状況を伝える記事を削除するよう迫りました。従わない場合はウェブサイトへのアクセスを制限するほか、500万ルーブル、日本円にしておよそ700万円以下の罰金が科される可能性があると警告しています。

ロシア フェイスブックやツイッターの利用制限措置

IT大手メタは、ロシア当局から国営メディアなどの投稿に対するファクトチェックなどの対応の停止を求められたことを明らかにしました。会社側が拒否したところ、ロシア国内におけるフェイスブックへのアクセスを制限する措置がとられたということです。

ツイッター社は26日、ロシア国内の一部の利用者がツイッターの利用を制限されていると発表しました。会社は「われわれのサービスを安全に利用してもらえるよう努める」としています。

米 ウクライナに最大3.5億ドル軍事支援 対戦車ミサイルなど

アメリカのブリンケン国務長官は26日に声明を出し、ウクライナに対して最大3億5000万ドル、日本円にしておよそ400億円の追加の軍事支援を行うと発表しました。
声明では、ウクライナ軍がロシア側の装甲車両や軍用機などの脅威に対応するため殺傷力のある防衛兵器を供与するとしていて、アメリカ国防総省の高官は記者団に対し、供与される兵器には対戦車ミサイル「ジャベリン」も含まれることを明らかにしました。

15万人超がポーランドなどへ避難 UNHCR

UNHCR=国連難民高等弁務官事務所は26日、ウクライナから隣国のポーランドなどに避難した人の数が15万人を超えたと明らかにしました。半数を超える人たちがポーランドに逃れたほか、ハンガリー、モルドバ、ルーマニアなどにも多くの人たちが避難しているということです。
ウクライナでは防衛態勢を強化するとして18歳から60歳の男性の出国を制限していることから、隣国に避難してきた人の中では女性、子ども、高齢者が目立っています。

ブルガリアとチェコ ロシア航空機の乗り入れ禁止へ

ウクライナへの軍事侵攻に対する制裁の一環として、ブルガリアとチェコは26日までにロシアの航空機の乗り入れを禁止する措置に踏み切ることを明らかにしました。ロシアもこれらの国に対して上空の飛行を禁止する措置をとったと現地メディアが報じています。

NGO「ウクライナ 10万人以上が避難か」国際社会の支援訴え

ウクライナで避難者の支援をしているNGO団体の代表がNHKの取材に応じ「ここ数日はとても多くの相談の電話がきている。10万人が避難をしていると言われているが、それ以上の人たちが避難しているのではないか」と話していました。
そのうえで「長期的にも多くのウクライナ人たちが苦しむおそれがある。ほかの国の人権団体と連携をしながらウクライナ人たちを支援していきたい」と国際社会に支援を求めました。

北朝鮮 ウクライナ侵攻「米の強権的対応が根本原因」

北朝鮮外務省は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻について「アメリカがロシアの安全保障上の要求に応じず、強権的な対応をしているのが根本的な原因だ」として、アメリカを非難しました。
北朝鮮が、今回の侵攻について立場を明らかにしたのはこれが初めてです。