核保有を誇示するロシアに抗議 広島 長崎の市民ら集う

ロシアのプーチン大統領が、ウクライナへの軍事侵攻にあたって、核保有国であることを誇示する姿勢を強調していることについて、被爆地の広島市と長崎市では抗議活動が行われました。

広島 「被爆地から抗議の声を発信する必要がある」

広島市では平和活動を行う市民などの呼びかけで、広島市中区の原爆ドームの前にはおよそ60人が集まりました。

参加した人たちは、およそ10分間英語で「反戦」や「反核」などと書かれた紙を掲げ、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に抗議するとともに、核兵器の使用反対を訴えました。

子どもと一緒に参加した広島市の30代の女性は「ウクライナの母親が子どもを連れて逃げたりしたという話を聞いて、いてもたってもいられず参加しました。核兵器がなくなることを祈っています」と話していました。

抗議活動を呼びかけた広島市の安彦恵里香さんは「核戦争の可能性もある中で被爆地から抗議の声を発信する必要があると思いました。巻き込まれている人たちに連帯の気持ちが伝わればいいと思います」と話していました。

長崎 「核による脅威を振りかざすロシアに強く抗議」

長崎市では爆心地におよそ40人が集まり「核兵器による威嚇に断固抗議する」「STOP THE WAR」などと書かれたカードを掲げました。

そして原爆がさく裂した時刻の午前11時2分に合わせて黙とうしました。

このあと、元高校生平和大使の林田光弘さんが「被爆地の人間として、核による脅威を振りかざすロシアに強く抗議します。もう二度と、ヒロシマ・ナガサキをくり返してはなりません」と抗議文を読み上げました。

集会に参加した被爆者の竹下芙美さんは「ウクライナで苦しんでいる人たちがふだんの生活に戻ることができるようにロシアはすぐに撤退すべきです」と話していました。

京都 ウクライナ出身の人も参加して抗議デモ

京都市では、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に抗議するデモが行われウクライナ出身の人などが一刻も早く侵攻をやめるよう訴えるとともに、国際社会のさらなる支援を呼びかけました。

京都市東山区の円山公園で行われた抗議デモには、関西で暮らすウクライナ人やロシア人などおよそ50人が参加しました。

参加者たちは、ウクライナの国旗や「戦争反対」と書かれたプラカードを掲げながら「ウクライナに平和を」などとウクライナ語や英語、日本語で訴え、ロシアに対し軍事侵攻を一刻も早くやめるよう抗議しました。

また、全員でウクライナの国歌を歌って、現地にいる家族や友人の安全を祈りました。

参加したウクライナ出身のガーディン・オレクサンダーさんは「私の家族はロシア軍に占領されたウクライナ北東の町にいて、昨夜から連絡がとれず、安否がわかりません。世界中の人たちが団結して声を上げてほしい。ウクライナには皆さんの助けが必要です」と話しました。

主催者の1人でロシア出身のナイフズ・イアンさんは「きょうはいろいろな国籍の人が参加してくれました。私は、親友がキエフにいて戦争に参加するかもしれず、とても心配です。国籍に関係なく、みんながこの戦争に反対していることを伝えたい」と話しました。