日本の海運会社所有の貨物船 ミサイル直撃1人けが 沖合停泊中

ウクライナ南部の黒海で、25日、愛媛県今治市の海運会社が所有する貨物船が砲撃を受け、フィリピン人の乗組員1人がけがをしました。

船は穀物を積み込むため港の沖合に停泊していたということで会社が引き続き情報収集にあたっています。

停泊中にミサイル直撃か

砲撃を受けたのはパナマ船籍の貨物船「ナムラ・クイーン」で、今治市の海運会社が所有しています。

会社によりますと日本時間の昨夜8時頃、船の管理会社から「ミサイルの被害を受けた」という連絡が入ったということです。

乗組員は20人全員がフィリピン人で、1人が肩に軽いケガをしましたが、19人にケガはないとしています。

会社によりますと、貨物船は日本時間の24日、穀物を積み込むためウクライナ南部オデッサ州の沖合に着いたものの、ロシアによる軍事侵攻が始まったことを受けて停泊を続けていたということです。

ミサイルは、船の居住区画の後ろ側を直撃しましたが、エンジンに被害はなく、現在は船の状態を確認するため自力でトルコに向けて航行しているということで、会社が引き続き情報収集にあたっています。

造船や海運など海事産業が盛んな愛媛県には貨物船など外航船の船主が多く、所有する船は1000隻を超えるとみられています。

担当者「船員が無事で安堵」

今治市の海運会社の担当者は「船員が無事で安堵しているが、できるだけ早く船員を安全な場所に移動させたい。ウクライナもロシアも物流にとって大事な国なので今の状況が早く改善して欲しい」と話していました。

愛媛県知事「許されない行為」

愛媛県今治市の海運会社が所有する貨物船が25日、ウクライナ南部の黒海で砲撃を受けたことについて愛媛県の中村知事は「無事であることを祈っている。今の世紀に、こうした戦争というものが現実になることは本当に許されない行為だと思います」と述べました。