首都キエフのウクライナ人夫婦「避難すべきかどうか…」

24日、ロシアがウクライナに対して軍事侵攻を始めました。
ウクライナ側の発表によりますと、ロシア軍による攻撃で、各地でウクライナ軍の兵士など死傷者も出ているということです。
首都キエフに住むウクライナ人夫婦に現地の様子について聞きました。

オンラインで話しを聞かせてもらったのは、キエフに住むウクライナ人のパウロ・コテンコさんと妻のインナさんです。

ロシア軍の侵攻をいつ知りましたか?

〈パウロさん〉
24日、午前6時ごろ、遠くで何かが爆発する音と、近くを航空機が飛ぶ音で目を覚ましました。
その後、ニュースでロシア軍がウクライナに侵攻したことを知りました。

〈インナさん〉
私たちが聞いた爆発音は、その後のニュースの情報で、ロシア軍のミサイルをウクライナ軍が迎撃したときの音だったようです。
国内各地に住む友人からも朝の早い時間帯に「爆発音を聞いた」というメッセージが相次いで寄せられています。
ウクライナ南部では、日中の間も、しばらく爆発音が続いていたという声もあり、住んでいる場所によって状況は少し異なるようです。

市内の様子はどうですか?

〈パウロさん〉
食料の買い出しのために、近くのスーパーに出かけたときに、商店やスーパーの前に市民が行列を作っているのを確認しました。
事態がさらに悪化することに備えて、多くの市民が食料などを買いだめしようとしているとみられます。
現時点では、パニック状態というほど混乱してはおらず、ひとまず私も食料を購入することができます。

〈インナさん〉
バスや地下鉄などの公共交通機関は通常どおり運行していて、キエフ市内を移動することは可能です。
また、銀行やATMも稼働していて、現金を引き出すことも可能です。

避難は考えていますか?

〈インナさん〉
ウクライナの西側に住む家族からは避難した方がいいのではないかと電話がありましたが避難すべきかどうかまだ決められておりません。
キエフは車で避難しようとする人たちで道路が渋滞しているという情報もあり、いまは自宅にとどまっている方が安全だと考えています。

〈パウロさん〉
ただ、戦況が悪化したときのために、水や食料、それに持ち出さなければいけないものをまとめ、いつでも避難できる準備を進めています。

今回のロシア軍の侵攻をどうみていますか?

〈インナさん〉
ウクライナは独立した国であるにも関わらず、ロシアのプーチン大統領は自分の望む方向に歴史を作ろうとしていることを残念に思います。
2014年以降、ずっと続いてきたことですが、やっと世界がウクライナをめぐる状況に目を向けるようになりました。
今こそ、抗議の声を上げていく時です。

〈パウロさん〉
戦争は、ウクライナとロシア双方にとって、良い結果をもたらさないと思います。
ここまで状況が悪化してしまいましたが、今からでも攻撃をやめてほしいです。
夜、心配で寝つけなくなる日々が続いているので、ロシア軍が撤退し、早く平和になってほしいです。