ロシア侵攻 IOC・IPCが声明「休戦求める決議違反 強く非難」

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて、IOC=国際オリンピック委員会は、国連総会が採択したオリンピックとパラリンピックの期間中の休戦を求める決議に違反するとして「強く非難する」という声明を発表しました。

国連総会は、オリンピックとパラリンピックの期間中に休戦を求める決議を各大会の前年に採択していて、北京大会に向けた決議は去年12月にロシアを含む173か国が共同提案国となって採択され、先月28日からパラリンピック閉幕の7日後にあたる来月20日までの間、世界のあらゆる紛争の休戦を呼びかけています。

こうした中、ロシアは24日、ウクライナに対する軍事侵攻に乗り出し、ウクライナ側によりますと、攻撃は東部だけではなく首都キエフの郊外などの軍事施設に及んでいて死傷者もでているということです。

こうした事態を受けてIOCは「ロシア政府によるオリンピックとパラリンピックの期間中の休戦を求める決議違反を強く非難する」という声明を公式ホームページで発表しました。

声明では、北京オリンピックの開会式や閉会式でバッハ会長が休戦を求める決議を順守するよう求めたことに触れ、世界の政治指導者に改めて連帯と平和を呼びかけています。

そのうえで、IOCとして「ウクライナのオリンピック関係者の安全を深く懸念する」として人道的支援に乗り出す考えを示しました。

IPC=国際パラリンピック委員会も非難の声明

北京パラリンピックの開幕を来月4日に控えて、IPC=国際パラリンピック委員会はロシアによるウクライナへの軍事侵攻を非難する声明を出しました。

声明ではロシアのウクライナへの軍事侵攻が国連総会が採択したオリンピックとパラリンピックの期間中の休戦を求める決議に違反する行為だとして、IOC=国際オリンピック委員会とともに非難するとしています。

そのうえでIPCのパーソンズ会長の発言として「ウクライナのパラリンピックの選手を心配している。いま最も優先すべきなのは、ウクライナの選手団の安全と健康だ」などと厳しい状況を訴えています。

東京五輪 柔道 銅メダルのウクライナ選手 心境を投稿

東京オリンピックの柔道で銅メダルを獲得したウクライナの選手が自身のSNSに現在の心境などを投稿しました。

ウクライナのダリア・ビロディド選手は2018年から柔道の世界選手権の女子48キロ級で2連覇し、東京オリンピックでは銅メダルを獲得しました。

ビロディド選手は24日、自身のインスタグラムに現在の心境や首都キエフの状況などを投稿しました。

ビロディド選手は「とても怖くて家族と国のために祈っている。ロシアが私たちを爆撃して戦争が始まった。私はこうしたことが起きるとは思っていなかった。なぜ人々の人生を台なしにするのか。私たちは平和を望んでいるし、私たちは生きたい!」などと投稿しています。