ロシア外務省“制裁効果ない 対抗措置をとる” 米の制裁に対し

緊張が高まるウクライナ情勢をめぐり、アメリカのバイデン大統領がロシアの金融機関などに制裁を科すと発表したことに対し、ロシア外務省は制裁の効果はないとけん制したうえで対抗措置をとると警告しました。

ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部で親ロシア派が事実上支配する地域の独立を一方的に承認し「平和維持」の名目で軍の部隊を送る構えを見せていることを受け、アメリカのバイデン大統領は22日「ウクライナへの侵攻の始まりだ」と強く非難し、ロシアの金融機関などに制裁を科すと発表しました。

これに対してロシア外務省は23日、声明を発表し、アメリカがロシアに対する金融分野へ制裁を科すのは101回目になるとしたうえで「ロシアは制裁の打撃を最小限に抑えられることを証明してきた。制裁の圧力を受けてもわれわれが自国の利益を守る決意は一切変わらない」として、制裁の効果はないとけん制しました。

また「アメリカの外交政策は恐喝、脅迫、威嚇以外に手段がない。これではロシアをはじめとする国際社会の主要な国には通用しない」と非難しました。

そして「間違いなく制裁には強力に対応する。必ずしも対称的なものだけでなくアメリカが敏感に影響を受けるものだ」として、制裁への対抗措置をとると警告しました。

米 新たな制裁措置を発表

アメリカのバイデン大統領は23日、新たにロシアから天然ガスをドイツに送るパイプライン「ノルドストリーム2」の事業会社や幹部に対する制裁措置を発表しました。

制裁が科される事業会社はロシア最大の政府系ガス会社「ガスプロム」の子会社です。

バイデン大統領は声明で、この制裁は前日に発表した制裁の一部であるとしたうえで「ロシアが引き続き緊張を高めるようなことをすれば、さらなる措置をとることも辞さない」としています。

「ノルドストリーム2」を巡っては、ドイツのショルツ首相が稼働に向けた手続きを停止する考えを示しています。