国連事務総長「平和維持部隊ではない」ロシアに自制求める

緊張が高まるウクライナ情勢をめぐり、国連のグテーレス事務総長はロシアがウクライナ東部に「平和維持」の名目で軍の部隊を送ろうとしていることについて「同意なしに他の国に軍が入るとき、それは平和維持部隊ではない」と述べ、ロシアに自制を求めました。

国連のグテーレス事務総長は22日、ニューヨークの国連本部でウクライナ情勢をめぐり急きょ会見を開きました。

グテーレス事務総長は、ロシアがウクライナ東部の親ロシア派が事実上支配する地域の独立を一方的に承認したことについて「世界の平和と安全は近年で最大の危機に直面している」と強い危機感を示し、ロシアの決定はウクライナの主権の侵害であり国連憲章の原則とは相いれないと指摘しました。

さらにロシアが「平和維持」の名目でウクライナ東部に軍の部隊を送ろうとしていることについて「ある国の軍隊が同意なしに他の国の領土に入るとき、それは平和維持部隊ではない。ロシア軍によるウクライナ東部への追加配備は緊張を引き起こすだけだ」と述べロシアに強く自制を求めました。

そのうえでグテーレス事務総長は「私はいつでも仲介に当たる用意がある。われわれは平和的な解決を諦めない。今は国連と国際社会全体の試練の時だ」と述べ、すべての当事者が外交による平和的な解決に取り組むべきだと訴えました。