都内のウクライナ人音楽家 民族楽器演奏で祖国の現状に関心を

ウクライナ情勢をめぐって緊張が続く中、日本で暮らすウクライナ人の音楽家が民族楽器を奏でるコンサートを開き、祖国の現状に関心を高めてほしいと訴えました。

コンサートを開いたのは、ウクライナ出身で日本で暮らすウクライナの民族楽器「バンドゥーラ」の奏者、カテリーナ・グジーさん(35)です。

カテリーナさんは、旧ソビエトのウクライナにあるチェルノブイリ原子力発電所から3キロほど離れた町で生まれましたが、生後まもなくして、原発事故が起き、家族は首都キエフへの避難を余儀なくされ、母親はいまもキエフの仮設住宅で暮らしています。

ウクライナ情勢をめぐって緊張が続く中、カテリーナさんはロシアに、もし侵攻されれば、母親の安全が脅かされるほか、祖国の文化や伝統が失われてしまうのではと危機感を抱き、ウクライナの現状に関心を高めてもらいたいとコンサートを開きました。

18日夜、都内のレストランにはおよそ40人が集まり、カテリーナさんは、弦が65本あるバンドゥーラを演奏し、ウクライナの民謡を歌いました。
また、ウクライナと世界の平和を祈る曲として「アヴェ・マリア」を演奏すると、会場から大きな拍手が送られていました。

観客の女性は、「すばらしい演奏でした。ウクライナのことをより知りたいと感じました。現地の状況についてニュースなどチェックしていきたい」と話していました。

カテリーナさんは、「残した家族を強く思い出し、その気持ちを音楽で伝えることができたと感じます。ウクライナのことを伝えていきたいです」と話していました。