ウクライナ 親ロシア派武装勢力 “軍から砲撃” 軍は否定

緊張が続くウクライナで17日、東部の一部を事実上支配している親ロシア派の武装勢力が、ウクライナ軍から砲撃を受けたと主張しましたが、軍はこれを否定しました。
今後、対立がさらに激しくなることで、緊張が高まることが懸念されます。

ウクライナ情勢をめぐって、ロシアはウクライナとの国境周辺に展開する軍の一部を撤収させていると発表していますが、欧米側は大規模な撤収は確認できていないとして警戒を続けています。

こうした中、ウクライナ東部の一部を事実上支配している親ロシア派の武装勢力は17日、ウクライナ軍から支配地域に少なくともおよそ160発の砲撃を受けたと主張しました。

これに対してウクライナ軍は、ロイター通信の取材に対して「われわれは、禁止されている兵器で武装勢力側から攻撃を受けたが、反撃はしていない」として、否定しました。

ウクライナ東部のこの地域をめぐっては、ロシア議会下院が15日、独立国家として承認することを検討するよう、プーチン大統領に求める決議を可決し、ウクライナ側に揺さぶりをかけていました。

一方、アメリカのバイデン政権の高官は「ロシアが侵攻を正当化するため偽りの口実を作る可能性がある」と述べ、偽の情報が増えていると指摘し、警戒感を示しています。

今後、東部で軍と親ロシア派の武装勢力の対立がさらに激しくなることで、緊張が高まることが懸念されます。

“ロシア軍機が米海軍機に接近” 米が懸念伝える

ウクライナ情勢をめぐって軍事的な緊張が続く中、アメリカ国防総省は16日、アメリカ海軍の哨戒機3機が先週末、地中海上空の国際空域を飛行していたところ、ロシアの航空機に進路を遮られたと明らかにしました。

アメリカの有力紙、ウォール・ストリート・ジャーナルは、国防総省の関係者の話として、ロシア軍の戦闘機がおよそ1.5メートル以内にまで接近したと伝えています。

国防総省によりますと、この接近によるけが人はいませんでしたが、より危険な結果につながる誤算や過ちを招きかねないとして、外交ルートを通じてロシア側に懸念を伝えたということです。

国防総省は声明で「アメリカは国際水域と空域で、国際法に従って安全に活動を続けていく。ロシアにも同じことを望む」と強調しました。