「まん延防止」大阪など17道府県延長 沖縄など5県解除へ

新型コロナ対策のまん延防止等重点措置をめぐり、岸田総理大臣は17日夜、記者会見で、大阪など17道府県は来月6日まで延長する一方、沖縄など5県は解除する方針を明らかにしました。
また来月から水際対策を段階的に緩和する方針を表明しました。

この中で岸田総理大臣は、新型コロナへの対応について「諸外国での知見の蓄積も含め、オミクロン株の科学的性質がだいぶ明らかになってきた。全国的にオミクロン株の感染拡大のペースは落ち着き始めているが、慎重さは堅持しながら『第6波の出口に向かって徐々に歩み始める』次のフェーズへと段階的に準備を進めていくべきと考えている」と述べました。

そして、まん延防止等重点措置について、今月20日が期限の大阪など16道府県と27日が期限の和歌山は来月6日まで延長する一方、沖縄や山口など5県は20日の期限をもって解除する方針を表明しました。

また、新型コロナワクチンの3回目の接種をめぐり、岸田総理大臣は今月15日以降、VRS=ワクチン接種記録システムの入力ベースで、目標としてきた一日当たり100万回程度までペースが上がってきたとしたうえで「手綱を緩めることなく、安定的に100万回以上が達成されるよう引き続き全力を尽くしていく」と述べました。

さらに、岸田総理大臣はオミクロン株対策として、外国人の新規入国を原則停止している水際対策について「『検査』や『行動把握』など基本的な条件を守ることで、引き続きG7で最も厳しい水準は維持しつつ、水際対策の骨格を段階的に緩和していく」と述べました。

具体的には、一定の条件を満たせば観光目的以外の外国人の新規入国を認め、受け入れ企業や団体の申請手続きはオンラインで完結するよう簡素化するほか、一日当たりの入国者の上限は、今の3500人を5000人とし、段階的に国際的な人の往来を増やすと説明しました。

また、入国後7日間の自宅や宿泊施設での待機は、入国前と入国時に加え、3日目の検査で陰性が確認されることを条件に待機期間を3日に短縮するとしています。

さらに3回目のワクチン接種を終え、オミクロン株の広がりが見られない地域からの入国者は入国後の待機措置を免除する考えを示しました。

そして「既存のオミクロン株が亜種である『BA.2』に置き換わることなどにより、再度、感染状況が悪化する可能性には十分に注意しなければならない。感染状況に悪化の兆しがあった場合には即座に対応を見直す。他方、第6波の出口がよりはっきり見えてくれば、経済社会活動の回復に向けて更なる取り組みを進めていく」と述べました。

「来月6日待たずに解除もありうる」

岸田総理大臣は記者会見で、新型コロナ対策のまん延防止等重点措置を、来月6日の期限で一斉に解除ができるか問われたのに対し「感染拡大のペースは落ち着きを見せているが、専門家の話を聞いていても、重症者数の増加は遅れてくるリスクもあり、まだ警戒を緩める段階ではない」と述べました。

その上で「今後、地元ともよく話し合いながら『解除ができる』という結論に至ったなら、来月6日を待たずに解除することもありうると一般論としては思っている。実際には、状況をしっかり把握した上で決断することになる」と述べました。

ウクライナ情勢 岸田首相「緊張緩和に 外交努力続けていく 」

緊張が続くウクライナ情勢をめぐり、岸田総理大臣は記者会見で、力による現状変更を認めればヨーロッパだけでなくアジアを含めた国際社会全体に誤ったメッセージを発することになると指摘し、緊張の緩和に向け各国の首脳と外交努力を続ける考えを示しました。

この中で岸田総理大臣は、ウクライナ情勢について「状況は予断を許さず、ウクライナに在留する日本人に一刻も早く退避するよう強く呼びかけている。近隣国でチャーター機の手配を行うなど、引き続き邦人保護に全力をあげていく」と述べました。

その上で「日本として、緊張の緩和に向けた粘り強い外交努力を続けていく考えであり、G7=主要7か国をはじめとする国際社会と連携し、実際の状況に応じて、適切に対応していく」と強調しました。

そして「力による現状変更を認めると、ヨーロッパのみならず、アジア、さらには国際社会全体に誤ったメッセージを発することになる」と指摘し、緊張の緩和に向けて各国の首脳と外交努力を続けを考えを示しました。

また、17日夜行う予定のロシアのプーチン大統領との電話会談に関連し「日本とロシアの関係を考えても、緊張緩和に努めなければいけない。各国の外交努力に応えていただくよう働きかけを行うことは大事だ」と述べました。

水際対策緩和「検討続けていきたい」

岸田総理大臣は記者会見で、水際対策の緩和について「国の内外の感染の状況の違いや各国の水際対策の状況、さらにはワクチンの3回目の接種の進み具合などを考えて総合的に判断していかなければならない」と述べました。

そのうえで「ただ水際対策をいっぺんに緩めるというのも現実的ではない。まずは第1段階の水際対策の緩和ということで3500人を5000人に戻したが、今後も内外の感染状況や各国の水際対策、検疫体制などをしっかりにらみながら、この数字についても、どうあるべきなのか、しっかり検討は続けていきたい」と述べました。

物価上昇 具体的な対策用意していく

岸田総理大臣は記者会見で、原油をはじめとする物価の上昇について「わが国の経済、そして国民生活に大きな影響が出る大変重大な課題だ。さまざまな政策は用意したが、その効果も含めて松野官房長官のもとで改めて検証を行った上で、何が必要なのかをこれから先に向けて議論を進めてもらっている。具体的な状況をしっかり見つめながら、具体的な対策を用意していく」と述べました。