ノルディック複合団体【詳細】 日本が銅 28年ぶりのメダル

北京オリンピックのスキーノルディック複合団体で日本が銅メダルを獲得しました。1994年のリレハンメル大会以来、28年ぶりのメダル獲得です。

ノルディック複合団体には10チームが出場し、日本は前半のジャンプで4位につけて後半のクロスカントリーを迎えました。

クロスカントリーは1人5キロずつ、合わせて20キロを滑るリレー方式で争われ、日本は、トップのオーストリアと12秒差3位のドイツとは1秒差で1人目の渡部善斗選手がスタートしました。

渡部善斗選手は直後に前を滑るノルウェーとドイツに追いつき、5キロを終えた時点ではトップのドイツとほぼ並ぶ2位で2人目の永井秀昭選手にリレーしました。
クロスカントリーを得意とする永井選手は最後は先頭集団から遅れたもののトップのオーストリアとは4秒6差、3位のドイツと0秒4差の4位で3人目、エースの渡部暁斗選手につなぎました。
今大会、個人では3大会連続のメダルを獲得した渡部暁斗選手は終始、先頭集団で滑り、15キロの手前でトップのノルウェーに離されましたが、2位に順位を上げました。
4人目に入るとノルウェーがほかのチームを大きく引き離し、レースは銀メダルと銅メダルを日本、ドイツ、オーストリアの3チームで争う構図となりました。
この中で日本の4人目の山本涼太選手は集団の中でほかの選手の動きを冷静に見て滑り、残り1.5キロでは3人の集団の最も後ろに位置していましたがスタジアムに入ってから一気にペースを上げてドイツとともに抜け出しました。
激しい争いの中で最後はドイツにかわされましたが3位でフィニッシュし、日本が銅メダルを獲得しました。

日本は1994年のリレハンメル大会で金メダルを獲得して以来、28年ぶりのメダル獲得です。

基礎の基礎から見直した4年間の強化が実る

スキーノルディック複合、最後の種目となった団体で日本は銅メダルを獲得し、1994年のリレハンメル大会以来、28年ぶりに表彰台に立ちました。
日本は前回のピョンチャン大会で4位、世界選手権でも過去3大会でいずれも表彰台に立つことができていませんでした。

メダル獲得のためには、クロスカントリーで圧倒的な走力のあるノルウェー、ドイツ、それにオーストリアといったオリンピックで2大会連続表彰台を占めている3チームに対し、前半のジャンプを終えてどのくらいの差で後半のクロスカントリーを迎えることができるかが大きなポイントでした。

エースの渡部暁斗選手の弟で、3回目の出場となる善斗選手は「世界のレベルが一気に上がっているので、ジャンプとクロスカントリーがかみ合わないと勝負できない状況にある」と説明しました。
こうした現状の中、今シーズンの日本代表は序盤でジャンプが得意な選手の調子が上がりませんでした。ワールドカップではエースの渡部暁斗選手などが例年よりジャンプで飛距離を伸ばせないことが多くありました。

それでも北京に入って渡部選手は「今シーズンで一番いい」と調子を取り戻しました。個人ラージヒルで飛距離を伸ばせずK点に届かなかったベテランの永井秀昭選手も前日の公式練習で助走路での動きやテイクオフを修正するなどして安定したジャンプを見せました。

世界との大きな差のあった後半のクロスカントリーでも4年間、それぞれの選手が強化してきた成果を見せました。特に力をつけたのはアンカーを任された山本涼太選手。クロスカントリーを始めたばかりの人がするような初心者用のトレーニングに立ち返りました。

どのようにすればスキーが進むのかや、ストックの使い方はどうしたら良いのかなど、基本的な動作をいちから見直しました。日本代表の河野孝典コーチから「上半身が優位な走りをしている」と指摘を受け、身長1メートル67センチ、体重52キロと小柄な体でも効率的に大きな筋肉を使えるような走りを模索してきました。

日本は前半のジャンプで4位となり、強豪国との差をわずかにとどめました。後半のクロスカントリーで、山本選手だけでなく4人全員が最後まで粘りの滑りを見せ、1994年のリレハンメル大会以来、実に28年ぶりとなるメダルをたぐり寄せました。

各選手談話

渡部善斗選手は「長いことメダルを目指してずっとやってきて、時間がかかったが、やっとここまで来られたという感じです」と振り返りました。また、きょうのクロスカントリーのスキー板に塗ったワックスの効果について「すごく滑りました。MVPはワックスマンだと思います」とワックスのスタッフをたたえていました。

永井秀昭選手は「『最後の挑戦になると思う』と話していた挑戦でメダルを獲得しました」と言われたのに対して「本当に最後の最後で、こんなご褒美が待っていると思わなかった。きょう一緒に戦ったチームメイト、スタッフ、コーチ、すべてのみんなに感謝したい。最高です。ありがとうございました」と話していました。

渡部暁斗選手は「いいジャンプもできなかったし、クロスカントリーも相手に離される形で涼太にタッチして、いい働きができなかったが、チームのみんなに助けてもらった。最後は“涼太いけ”という感じで託して信じて待っていました」と山本涼太選手につないだ自らの滑りを振り返りました。また、28年ぶりに団体でメダルを獲得したことについて「団体戦のメダルは本当にチームみんなで喜べて、個人でとるよりも何倍もうれしさがある。それは2009年の世界選手権の時に、僕だけしか体感していないもので、そこから長い時間がかかってしまったが、この瞬間をみんなで共有できてすごくうれしい。このあとに続いていく日本チームの未来にとってもいいメダルになったと思います」と話していました。

山本涼太選手は後半のクロスカントリーで最後の4人目をつとめた心境について「最後に走ることが決まったときに『プレッシャーがやばいな』と感じたが、表に出さないようにしていた」と話していました。
またレースの展開について「自分の中で一番大変なレース展開になると想像できていた。あらゆる想像をしてきたが、やることは変わらないと思っていた。よくなってきた自分の滑りを少しでも出したいと思っていたが、まさかあれほどのいい位置で決勝で争えると思わなかったのでよかった」と振り返りました。
他のチームの選手と激しく競った最後の直線については「いろいろな気持ちがあったが、とにかく表彰台に先輩方をあげたいという気持ちが先走っていた」と話していました。

<後半 クロスカントリー20キロ (1選手あたり5キロ)>

【4人目・20キロ】
日本の4人目、山本涼太選手はフィニッシュ直前で2位を激しく争ったドイツと0秒3差の3位となり、日本は銅メダルを獲得しました。
スキーノルディック複合団体の結果です。
金メダル ノルウェー 50分45秒1
銀メダル ドイツ 51分40秒0
銅メダル 日本 51分40秒3

【4人目・18.5キロ】
山本涼太選手は3人からなる2位集団の最もうしろで滑っています。

【4人目・17.5キロ】
山本涼太選手はオーストリアとドイツと作る2位集団の先頭で滑っています。トップのノルウェーとの差は41秒2に広がりました。

【4人目・16キロ】
山本涼太選手がオーストリアの選手と2人で先頭のノルウェーを追っています。ノルウェーとの差はおよそ20秒4位で追うドイツとの差は12秒近くに迫られています。
【3人目→4人目=15キロ】
日本は3人目の渡部暁斗選手が15キロ手前でトップのノルウェーに離され、10秒4差で、山本涼太選手に2位でリレーしました。日本は3位のオーストリアとはほぼ並び4位のドイツには26秒5の差をつけています。

【3人目・13.5キロ】
ドイツの選手が遅れ、渡部暁斗選手がオーストリアとノルウェーの選手と滑る先頭集団は3人になりました。

【3人目・12.5キロ】
渡部暁斗選手はノルウェー、オーストリア、ドイツと作る先頭集団のトップで引っ張る形となりました。

【3人目・11キロ】
3人目の渡部暁斗選手がドイツの選手を抜いて3人の先頭集団の一番後ろで滑っています。トップのオーストリアとは0秒9の差です。
【2人目→3人目=10キロ】
日本は永井選手が10キロ地点の手前で先頭集団からやや遅れて渡部暁斗選手に4位でリレーしました。トップのオーストリアとは4秒6差、3位のドイツとは0秒4差です。
【2人目・8.5キロ】
オーストリアの選手が集団から抜け出そうと上り坂でペースをあげましたが永井選手が食らいつき引き続き先頭集団で滑っています。トップのドイツの選手とは1秒3の差です。

【2人目・7.5キロ】
永井選手はオーストリア、ドイツ、ノルウェーとともに作られた4人の先頭集団の一番後ろで滑っています。トップのオーストリアとは1秒3の差です。

【2人目・6キロ】
永井選手はオーストリア、ドイツ、ノルウェーとともに作られた4人の先頭集団で滑っています。
【1人目→2人目=5キロ】
日本は渡部善斗選手から永井選手にリレー。トップとはほとんど差はなくトプのドイツとわずか0秒3の差の2位で2人目につなぎました。
【1人目・3.5キロ】
渡部善斗選手がドイツの選手とともにトップのオーストリアの選手に追いつき、3人による集団が形成されました。2位スタートのノルウェーはこの集団から遅れ始めました。

【1人目・1キロ】
1キロ地点、日本は4位でスタートした1人目の渡部善斗選手がノルウェーとドイツの選手とともに作る3人の2位集団でトップのオーストリアを追っています。
【スタート順】
現地午後7時 後半のクロスカントリーが始まりました。
スタート順と時間差は以下の通りです。
1位 オーストリア
2位 ノルウェー(+8秒)
3位 ドイツ(+11秒)
4位 日本(+12秒)
5位 フランス(+1分27秒)
6位 チェコ(+1分36秒)
7位 アメリカ(+1分58秒)
8位 フィンランド(+2分)
9位 イタリア(+3分27秒)
10位 中国(+6分28秒)

<前半 ジャンプ>

前半のジャンプで日本は1人目の渡部暁斗選手が125メートル、2人目の渡部善斗選手が133メートル50、3人目の永井秀昭選手が128メートル50、そして最後の4人目で山本涼太選手が135メートルをマークし4位となりました。

この結果、後半のクロスカントリーは
▽トップのオーストリアと12秒差、
▽2位のノルウェーと4秒差、
▽3位のドイツと1秒差でスタートすることになりました。

渡部暁斗選手は「個人戦の時ほどのいいジャンプは出せなかった。コーチが合図の手を振るのを待っていたので、それほどいい条件ではなかった。そのような中では最低限のジャンプはできた」と振り返りました。

渡部善斗選手は「個人戦であまりいいジャンプが出せなかったので、団体戦はやってやろうという気持ちがあった。力みはあったが、いいジャンプができてほっとしている」と振り返りました。

永井秀昭選手は「個人戦では自分のやるべきことがうまくできなかったので、きのうの公式練習で修正したのがうまく出せた」と振り返りました。

山本選手は「練習よりもいいジャンプ、まとまったジャンプができた」と一定の手応えを感じていた一方で「強豪の3チームより前にスタートするべきだったが、それがかなわなかった。自分のジャンプは感触が良かったわりには飛んでいかなかった」と振り返りました。
【4人目(前半最終順位)】※( )内はクロスカントリーのスタート差。
1位 オーストリア
2位 ノルウェー(+8秒)
3位 ドイツ(+11秒)
4位 日本(+12秒)(山本涼太:飛距離135.0m、得点121.4)
5位 フランス(+1分27秒)
6位 チェコ(+1分36秒)
7位 アメリカ(+1分58秒)
8位 フィンランド(+2分)
9位 イタリア(+3分27秒)
10位 中国(+6分28秒)
【3人目】
日本の3人目、永井秀昭選手は、128メートル50を飛んで111.6ポイントをマークしました。各チーム3人目を終えて、日本は10チーム中3位で、この時点で後半のクロスカントリーのスタートは、トップのノルウェーと6秒差となっています。

1位 ノルウェー
2位 オーストリア
3位 日本(永井秀昭:飛距離128.5m、得点111.6)
4位 ドイツ
5位 チェコ
6位 フランス
7位 フィンランド
8位 アメリカ
9位 イタリア
10位 中国
【2人目終了】
日本の2人目、渡部善斗選手は133メートル50を飛んで124.5ポイントをマークしました。各チームの2人目を終えて、日本は10チーム中トップに立ちました。この時点で後半のクロスカントリーでは2位のノルウェーと8秒差となっています。

1位 日本(渡部善斗:飛距離133.5m、得点124.5)
2位 ノルウェー
3位 オーストリア
4位 ドイツ
5位 チェコ
6位 フランス
7位 フィンランド
8位 アメリカ
9位 イタリア
10位 中国
【1人目終了】
日本の1人目、渡部暁斗選手は125メートルを飛んで109.1ポイントをマークしました。各チームの1人目を終えて日本は10チーム中4位でこの時点で後半のクロスカントリーのスタートは、トップのドイツと11秒差となっています。

1位 ドイツ
2位 フランス
3位 ノルウェー
4位 日本(渡部暁斗:飛距離125m、得点109.1)
5位 チェコ
6位 オーストリア
7位 フィンランド
8位 アメリカ
9位 イタリア
10位 中国

【前半 ジャンプの滑走順】

1 中国
2 チェコ
3 イタリア
4 フランス
5 アメリカ
6 フィンランド
7 日本
8 オーストリア
9 ノルウェー
10 ドイツ