スピードスケート【詳細】高木美帆が金メダル 女子1000m

北京オリンピックのスピードスケート、女子1000メートルで、高木美帆選手が1分13秒19のオリンピック新記録で金メダルを獲得しました。
高木選手は1500メートルと500メートル、それに団体パシュートの銀メダルに続いて今大会4つ目のメダルで、個人種目で初めての金メダルです。

スピードスケートの女子1000メートルには30人が出場し、日本からは前回大会のこの種目で銀メダルの小平奈緒選手と、銅メダルの高木美帆選手が出場しました。

高木選手は前半の600メートルを全体の2番目で通過し、持ち味の持久力を生かした伸びのある滑りを見せました。

タイムは1分13秒19で、従来のオリンピック記録を0秒37縮めるオリンピック新記録で金メダルを獲得しました。

高木選手は、5種目に挑んだ今大会で、1500メートルと500メートル、それに団体パシュートの銀メダルに続いて4つ目のメダルで、個人種目で初めての金メダルです。

一方、小平選手は1分15秒65の10位で、2大会連続のメダル獲得はなりませんでした。

銀メダルは1分13秒83をマークしたオランダのユタ・レールダム選手、銅メダルは1分14秒61のアメリカのブリタニー・ボウ選手でした。

変化恐れず つかんだ金メダル

高木選手のモットーの1つは、“変化を恐れずに挑戦”することです。
それは「今までやってきたことをやっていれば大丈夫」と臨んでしまい、2014年のソチオリンピック代表を逃したことを忘れないために胸に刻んできました。

その挑戦する姿勢は、オリンピックの舞台も例外ではありません。
今大会、短距離から長距離までこなすオールラウンダーとして、5種目に挑戦したうえで、個人種目で金メダルを目指すことにした高木選手は「最初から最後まで力強くありたい」と1つ1つのレースで全力を尽くしました。

しかし、大会の序盤は納得する結果につながりません。
特に2種目めの世界記録を持つ女子1500メートルは金メダル最有力と期待されましたが0秒44及ばず銀メダル。
4年間、この種目の金メダルを念頭に置いていただけに「ひたすら悔しい」と唇をかみしめました。

気持ちの整理がつかない中で、高木選手には続く個人種目の女子500メートルの出場自体を取りやめる選択肢もありました。
金メダルにより近い、女子団体パシュートと女子1000メートルに集中したほうがいいのではないかとの考えからでした。

しかし、ここで高木選手は一度立ち止まりこの4年間、積み重ねてきたことを振り返りました。
そして、大会10日目。高木選手は女子500メートルに出場します。

「無心で滑った」とスピードに乗って自己ベストを更新。今シーズン、あまり実績を残せていなかったこの種目で銀メダルを獲得したのです。

「苦しい時期が続くなか、ベストを出してこん身のレースができたのがうれしい。この銀メダルは挑戦した証。挑戦してよかったし、誇りに思っている」と胸を張りました。

そして、女子団体パシュートの力を尽くしての銀メダルを経て、今大会最後の種目の女子1000メートルに挑みました。
最後まで挑戦することをやめなかった高木選手。今大会、5種目を滑りきったあとに手にしたのは願い続けたオリンピックの個人種目での金メダルでした。

高木選手は「オリンピックの出だしはつらいことがあって、自分の調子も上げきれないときがあったが、最後に自分のすべてを出し切り、金メダルを取れなくても悔いはないと思えるようなレースができたのが本当にうれしい。そして、金メダルをとれたことは、形となって残ったと思う」と喜びを語りました。

また、今大会7回のレースを終えたことについて「正直に言って、体は限界でギリギリだった。無事に走ることができてよかった」と振り返りました。

そして「たくさんのエールをもらったことで、ひるまずに攻めることができた。最後、このレースが終わって、やっとみんなにありがとうを言える」と感謝のことばを述べました。

デ・ヴィットコーチ「彼女をとても誇りに思う」

スピードスケート日本代表のヨハン・デ・ヴィットコーチは金メダルを獲得した高木選手について「私も幸せで、すばらしいフィニッシュだ。彼女のことをとても誇りに思っている」と話しました。

また、高木選手の好結果の要因について「最初の600メートルが彼女にとって重要で、そこでトップにいれば彼女は勝てる。私はその部分にこれまでずっとフォーカスしてきた。勝利の鍵は常に最初の600メートルにある」と充実した表情で語りました。

今大会メダル4個 冬の五輪で日本選手最多

スピードスケートで今大会5種目に出場した高木選手はすべての種目を終えて4つのメダルを獲得しました。

通算7つ目のメダルとなり、オリンピックのメダルの獲得数で夏と冬の大会を通じた日本の女子選手の最多記録を更新しました。

北京オリンピックの日本選手団の主将を務める高木選手は短距離の500メートルから長距離の3000メートルまでの4つの個人種目と、団体パシュートの合わせて5種目に出場しました。

そして、1000メートルで金メダル、500メートルと1500メートル、それに女子団体パシュートで銀メダルを獲得しました。また、3000メートルでも6位に入賞しています。

1つの大会で4つのメダル獲得は冬のオリンピックの日本選手で最多です。

また、高木選手は前回のピョンチャン大会で、団体パシュートで金メダル、1500メートルで銀メダル、それに1000メートルで銅メダルの3つのメダルを獲得しています。

これで通算7つ目のメダルとなり、オリンピックのメダルの獲得数で夏と冬の大会を通じた日本の女子選手の最多記録を更新しました。

高木選手は氷に力を効率よく伝える技術が高く、序盤の加速力もあるほか、後半もスピードが落ちないことから、短距離から長距離まで対応できる世界屈指のオールラウンダーです。

スピードスケートの日本の女子選手では、過去にも5種目に出場した選手がいて、橋本聖子さんが1988年のカルガリー大会と1992年のアルベールビル大会で、いずれも個人種目の5種目すべてに出場し、アルベールビル大会の1500メートルで日本の女子選手初となる銅メダルを獲得しました。

また、田畑真紀さんが2006年のトリノ大会で、1000メートル以上の距離の4つの個人種目と団体パシュートの合わせて5種目に出場しています。

小平「自分なりにやり遂げることできた」

小平選手は「17位に終わった500メートルのような大きなミスはなかった。成し遂げることはできなかったが、しっかりと自分なりにやり遂げることはできたのかなと思う。きょうは楽しんで滑ることが多くの人の心に響く滑りだと思ったので、自分自身も心からスケートを楽しもうと思ってスタートラインに立った」と振り返りました。

そして、連覇が期待されたここまでの道のりについて「年が明けてから一度、絶望的な状況に陥ってしまい、この大会に間に合うか心配だったが、少しでも希望を見ることができた。痛みとかやるせなさとか、じわじわと体からにじみ出てくるようなことも、そのつど飲み込んで自分なりに乗り越えてきた。前に進むために多くの皆さんに支えてもらい、感謝の気持ちを持って滑ることができた」と時折、ことばを詰まらせながら話していました。

高木美帆 今大会全レース結果

今大会5つの種目に出場して金メダルを含む4つのメダルを獲得した高木選手のすべてのレースの結果です。

《個人種目》
2月5日 女子3000m 4分1秒77 6位入賞
2月7日 女子1500m 1分53秒72 銀メダル
2月13日 女子500m 37秒12(自己ベスト)銀メダル
2月17日 女子1000m 1分13秒19(五輪新)金メダル

《女子団体パシュート》
2月12日
準々決勝 2分53秒61(五輪新=当時)8チーム中1位 準決勝進出
2月15日
準決勝 2分58秒93 ROC=ロシアオリンピック委員会に勝利、決勝進出
決勝 3分4秒47 カナダに敗れ銀メダル

<女子1000mの経過>

【現地16:30】
競技始まる。1組がスタート。

【現地16:37】
3組目まで終了。暫定でトップはオランダのアントワネット・デ ヨング選手。タイムは1分14秒92。

【現地16:41】
4組目まで終了。暫定でトップはオランダのアントワネット・デ ヨング選手。

【現地16:44】
5組目まで終了。暫定でトップはオランダのアントワネット・デ ヨング選手。

【現地16:48】
6組目まで終了。暫定でトップはオランダのアントワネット・デ ヨング選手。

【現地16:53】
7組目まで終了。暫定でトップはオランダのアントワネット・デ ヨング選手。

【現地16:56】
8組目まで終了。暫定でトップはオランダのアントワネット・デ ヨング選手。

【現地17:00】
9組目まで終了。暫定でトップはオランダのアントワネット・デ ヨング選手。

【現地17:22】
10組目まで終了。暫定でトップはオランダのアントワネット・デ ヨング選手。

【現地17:26】
11組まで終了。暫定でトップはオランダのユタ・レールダム選手。タイムは1分13秒83。

【現地17:29】
12組まで終了。暫定でトップはオランダのユタ・レールダム選手。

【現地17:33】
13組目に高木美帆選手が登場。インスタートで滑り、タイムは1分13秒19のオリンピック新記録で暫定首位。

【現地17:36】
14組目に小平奈緒選手が登場。アウトスタートで滑り、タイムは1分15秒65で暫定8位。暫定トップは高木美帆選手。

【現地17:40】
全15組が終了。高木美帆選手が金メダル獲得。

滑走順

1組
IN:パク・チウ(韓国)
OUT:サンドリーヌ・タス(ベルギー)
2組
IN:アレクサ・スコット(カナダ)
OUT:エリア・スメディング(イギリス)
3組
IN:ミハエラ・ホガシュ(ルーマニア)
OUT:アントワネット・デ ヨング(オランダ)
4組
IN:エカテリーナ・スロエワ(ベラルーシ)
OUT:ラグネ・ビルクンド(ノルウェー)
5組
IN:バネッサ・ヘルツォーク(オーストリア)
OUT:殷・キ(中国)
6組
IN:ナジェジダ・モロゾワ(カザフスタン)
OUT:マディソン・ペアマン(カナダ)
7組
IN:ニコラ・ズドラーハロバー(チェコ)
OUT:キム・ヒョ ニョン(韓国)
8組
IN:キム・ミンソン(韓国)
OUT:カロリーナ・ボシェク(ポーランド)
9組
IN:コウ・郁テイ(台湾)
OUT:金京珠(中国)
10組
IN:オリガ・ファクトリナ(ROC)
OUT:エカテリーナ・アイドワ(カザフスタン)
11組
IN:キミ・ゲッツ(アメリカ)
OUT:ユタ・レールダム(オランダ)
12組
IN:アンジェリカ・ボイチック(ポーランド)
OUT:イレーン・ビュスト(オランダ)
13組
IN:高木美帆(日本)
OUT:アンゲリナ・ゴリコワ(ROC)
14組
IN:李奇時(中国)
OUT:小平奈緒(日本)
15組
IN:ダリア・カチャノワ(ROC)
OUT:ブリタニー・ボウ(アメリカ)