新型コロナ 国内感染者数400万人超に この12日間で100万人増

国内で新型コロナウイルスの感染が確認された人の数は、15日、累計で400万人を超えました。

日本国内で初めて新型コロナウイルスへの感染者が確認、報告されたのは、おととし1月16日で、中国の武漢に渡航していた神奈川県に住む30代の男性が肺炎の症状を訴えたケースでした。

その後、国内で感染拡大が起き、
▽初めて緊急事態宣言が出されたおととし春の「第1波」、
▽おととし夏の「第2波」、
▽おととしの年末から去年初めにかけて首都圏などを中心に拡大した「第3波」、
▽変異ウイルス「アルファ株」が広がった去年3月以降に関西を中心に拡大した「第4波」が起きたあと、
▽「デルタ株」が拡大した「第5波」の最中の去年8月6日に100万人を超えました。

ことしに入ってからは「オミクロン株」の広がりで、これまでに比べ、極めて速いスピードでの拡大となり、累計の感染者数は▽ことし1月20日に200万人を超えたのに続いて▽2月3日に300万人、そして▽15日、400万人を超えました。
国内での感染が始まってから累計の感染者数が100万人を超えるまで1年7か月近くかかりましたが、その後、
▽100万人から200万人になるのにおよそ5か月半、
▽200万人から300万人になるのに2週間、
▽300万人から400万人になるまではわずか12日と拡大のペースが速くなっています。

国内での初めての感染確認から15日までの累計の感染者数、400万人余りのうち、およそ57%にあたる230万人余りが先月からの1か月半に集中していて、第6波はこれまでとは全く異なる規模の感染拡大となっています。

第6波の時期に亡くなった人は2400人近く報告され、致死率はおよそ0.10%と、これまでの感染の波に比べると低くなっていますが、感染者数がこれまでの感染拡大の波に比べて桁違いに多いため、亡くなる人の数が多くなってきています。

また、これまでの感染拡大では重症者数のピークは感染者数のピークから2週間ほど遅れ、亡くなる人はさらに遅れて増えていて、今回も今後、新規感染者数が減少傾向に転じたとしても、重症者数や亡くなる人の数が増加し、致死率が上がるおそれがあります。

一方、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、国別の累計の感染者数は15日の時点で▽アメリカで7792万人、▽インドで4269万人、▽ブラジルで2755万人、▽フランスで2189万人、▽イギリスで1848万人、▽ロシアで1410万人など世界各地で400万人を超えている国は日本以外に18か国あり、いずれの国でもオミクロン株によって感染拡大のペースが速くなっています。

専門家「これまでにない拡大 高齢者への感染対策を」

厚生労働省の専門家会合のメンバーで、国際医療福祉大学の和田耕治教授は「年末年始で人との接触機会が急激に増えたタイミングとオミクロン株の流入が重なり、以前は感染が拡大していなかった地方にもしみ出して、これまでになかった拡大が起きたと考えている」と述べました。

そのうえで「拡大傾向はいま落ち着きつつあるが、多くの地域で高止まりしていて本当に減少局面に入るかどうかもう少し注視が必要だ。オミクロン株でも特に75歳以上の高齢者では感染すると重症化し、亡くなる人も増えてきている。重症者数を減らせるかは高齢者への感染がどれくらいコントロールできるかにかかっている。今後、暖かくなって人々の接触機会が増加する3月、4月、5月になると、感染拡大を抑えることが難しくなるおそれもある。高齢者施設での感染が依然として多いので、こうした場所で3回目のワクチン接種をどれくらい速く行えるかも今後の重要なポイントだ」と指摘しました。

また、医療や検査などの体制がひっ迫していることについて、和田教授は、重症になる人を減らすために医療や保健所の体制を必要とする人に振り向ける必要があるとしたうえで、検査についても重症化リスクの高い人など優先度の高い人が確実に受けられるようにする必要があるという考えを示しました。

和田教授は「検査キットや検査体制も需要に追いついていない。感染した人が職場などに戻るとき、陰性の確認として追加の検査を求められるケースがあるが、本来こうした対応は必要ではないので、学校や企業でしっかりルールを作ってもらう必要がある。また、かぜのような症状があって数日様子を見ているうちに、検査や診断も受けられないまま症状が改善し、どう職場や学校に戻ったらよいか悩んでいる人もいる。こうした人には、復帰の目安として『症状が回復傾向になってから72時間』ということを呼びかけるべきではないかと考えている」と話しています。