林外相 “米軍の認識は誤り” 感染対策緩和で日本側に情報提供

在日アメリカ軍司令部が去年9月以降、日本側との合意に反して感染対策を緩和していたことをめぐり、アメリカ軍が「日本政府に対して情報を提供してきた」と回答していることについて、林外務大臣は、日本側が事実を確認したのは去年12月で、アメリカ軍の認識は誤っているとして、申し入れを行ったことを明らかにしました。

去年9月以降、日本側との合意に反して、アメリカ軍兵士らの出入国時の検査を取りやめるなど、感染対策を緩和していたことをめぐり、NHKが書面ですぐに日本側に情報共有しなかった理由を尋ねたのに対し、在日アメリカ軍司令部は「言うまでもなく、とられている措置については、日本政府に対して情報を提供してきた」と回答しました。

これについて、林外務大臣は、衆議院予算委員会で「日本側が知ったのはいつなのか」と問われたのに対し「在日米軍による出国前検査が免除されたことを日本政府が確認したのは去年12月24日だ」と述べました。

そして「去年12月24日よりも前に日本側に通知していたとの認識は誤りである旨、アメリカ軍に今般申し入れたところだ」と述べ、アメリカ軍に対して、実務レベルでメールで申し入れたことを明らかにしました。

後藤厚生労働大臣は、学校の休校などで仕事を休まざるをえない保護者を支援する「小学校休業等対応助成金」の対象範囲について「子どもの新型コロナワクチン接種時の付き添い、ワクチンによる副反応が出た際に子どもを看護する場合の休みについても、小学校の臨時休校に準ずるものと解することができる」と述べ、助成金の対象になりうるという認識を示しました。

また、後藤厚生労働大臣は、新型コロナ対策として政府が調達した布マスクをめぐり「希望者に配布した場合、配送料が10億円かかるとの試算が報道されている」と問われたのに対し「配布希望は合計およそ37万件と多数の申し出をいただいた。現在、厚生労働省で集計作業を進めているところだ」と述べました。

そのうえで「今後おおむね1か月程度で個々の希望者への配布枚数などを決定して、公表する予定だ。配送費用はこうした作業の結果、明らかになるものであり、現時点で示すことは困難で、10億円とは今の段階で考えていない」と述べました。

さらに、布マスクの活用のしかたをめぐり「赤ちゃんの産着(うぶぎ)やかいわれ大根の栽培用のガーゼとしての活用など、マスク以外の使いみちも認めてほしい」と問われたのに対し「『有効に使っていただきたい』ということばの中にはご指摘いただいたようなことも含まれており、ぜひ有効に使っていただきたい」と述べました。

また、鈴木財務大臣は、布マスクの配布事業にかかる予算について「さまざまな意見が国民の皆様からあることは承知しているが、税金の使い方としては問題なかった」と述べました。

松野官房長官「日米間の連携を強化」

松野官房長官は午後の記者会見で「アメリカ側には、日本の水際対策の措置が変更されるたびに詳細に説明し、アメリカ側の措置が整合的なものになるよう連携を図ってきたが、日米間のコミュニケーションに不十分な点があったことは否定できないと考えている。今後、日米合同委員会のもとに設置された『検疫・保健分科委員会』の枠組みも活用しながら、いっそう日米間の連携を強化していきたい」と述べました。

共産 志位委員長「どちらかがうそを言っているのか」

共産党の志位委員長は記者会見で「われわれも『しんぶん赤旗』で独自に取材し、在日アメリカ軍司令部から『少なくとも去年9月末までには日本政府に伝えた』という回答を得ている。政府が確認したのが12月24日だと言うのであれば、どちらかが、うそを言っていることになり、非常に重大な問題だ」と述べました。

そのうえで、外務省がアメリカ軍の認識が誤っているとして、実務レベルでメールで申し入れを行ったとしていることについて「国民の生命に関わる問題であり担当者がメールで確認して済むような話ではなく、日本政府としてアメリカに政治レベルで対応しなければならない。きちんと追及していく」と述べました。