核兵器禁止条約 初の締約国会議 ことし半ばに延期

核兵器の開発や保有、使用などを禁止する核兵器禁止条約の初めての締約国会議は、来月オーストリアで開かれる予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大を理由にことし半ばに延期されることになりました。

核兵器が非人道的な兵器だとして開発、製造、保有、使用を禁じる核兵器禁止条約は、2017年に国連で採択され、50の国と地域の批准をもって去年1月22日に発効しました。

初めての締約国会議は来月オーストリアの首都ウィーンで開かれる予定でしたが、会議の議長を務めるオーストリア外務省のクメント軍縮軍備管理局長は1日、会議をことし半ばに延期すると発表しました。

条約の締約国は会議に各国の代表だけでなく広島や長崎の被爆者なども招いて対面で開催することを重視していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって渡航への大きな影響が続いている中で現状では開催は難しいと判断したとしています。

核兵器禁止条約にはアメリカなどの核保有国やアメリカの核の傘のもとにある日本などは参加していませんが、締約国会議には条約に参加していないドイツやノルウェーなどもオブザーバーとして参加する意向を示していたことから、議論の行方が注目されていました。

世界の核軍縮をめぐっては、先月開催が予定されていたNPT=核拡散防止条約の再検討会議も新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期され、交渉が停滞しています。