“コロナ病床ほぼ満床 状態悪化する人も増加” 都内の大学病院

新型コロナウイルスの急速な感染拡大で、東京都内の大学病院では先週から高齢者や基礎疾患のある人など、重症化リスクの高い人でコロナ患者用の病床がほぼ満床となっていて、肺炎を起こした人が3分の1を占めるなど状態が悪化する人も増えてきています。

東京 板橋区の日本大学医学部附属板橋病院は、新型コロナの中等症や重症患者向けに60床を確保しています。

病院によりますと、コロナ病床は先週からほぼ満床の状態が続き、1日朝の時点では56人が入院していて、新生児用の4床を除いて満床となっています。

入院患者は高齢者が35人いるほか、がん患者や基礎疾患のある人、それに妊婦などで重症化リスクの高い人しか入院できない状態になっています。

およそ3分の1に当たる20人ほどは肺炎を起こしていて、このうち6人は呼吸状態が悪化し、鼻から高濃度の酸素を大量に投与する「ネーザルハイフロー」による治療を受けているということです。

1日朝、病棟で開かれたミーティングでは、患者がさらに増えると一時的に3人部屋に4人入院してもらうしかないなどと話し合っていました。
治療にあたる林健太郎医師は「オミクロン株の感染が始まった当初は、ワクチンを接種していない若者が軽症で入院していたが、今は接種済みの高齢者が中心になっている。感染をきっかけに持病が悪化するケースもあり、重症化する人が増えないか、懸念している」と話しています。