プロ野球2022キャンプイン【各球団まとめ】◆新監督は動画で◆

プロ野球のキャンプが1日から始まり、7球団が沖縄県で、5球団が宮崎県で新しいシーズンに向けて始動しました。

ことしのキャンプは新型コロナウイルスの感染対策をとったうえで、2年ぶりに観客を入れて行われます。一方、各球団では選手やコーチなどが感染し、キャンプのスタートに間に合わないケースも相次いでおり、感染対策をとりながらチームを強化する難しい調整が予想されます。

キャンプ初日の動きを各球団ごとにお伝えします。
※各球団名のあとに続く地名は1日時点のキャンプ地です。

【セ・リーグ】

ヤクルト(1軍 沖縄 浦添)高津監督不在の中始動

昨シーズンセ・リーグを制し、20年ぶりに日本一に輝いたヤクルトのキャンプは、近親者に新型コロナウイルスの感染者が出て沖縄入りが遅れている高津臣吾監督が不在の中、浦添市で始まりました。ことしのキャンプは感染対策をした上で観客を入れて行われ、球団によりますとおよそ450人のファンが訪れたということです。
昨シーズンホームラン34本、打点はセ・リーグ3位の「101」をマークしたキャプテンの山田選手は、昼休みを返上して30分ほどバッティング練習を行いました。山田選手はキャンプではより力強い打球を飛ばすためのスイングに取り組みたいとしていて、打撃投手からヒット性の当たりを何本も打っていました。

山田選手は、2年ぶりに観客がいるキャンプについて「モチベーションが上がるし、見られている分かっこいいプレーを見せようという気持ちにつながってくる」と話しました。
そのうえで「チームとしての目標はリーグ連覇だ。個人的にはトリプルスリーとゴールデン・グラブ賞を目指す」と意気込みを語りました。

ヤクルトの1軍のキャンプは今月28日まで沖縄県浦添市で行われます。

一方、球団は、緒方耕一2軍外野守備走塁コーチが新型コロナウイルスに感染したと発表しました。これでことしに入って球団内の感染者は14人となりました。

阪神(1軍 沖縄 宜野座村)退任意向表明の矢野監督も指導

31日に今シーズンかぎりで退任する意向を明らかにした矢野監督は、午前9時ごろに、1軍キャンプが行われる沖縄県の宜野座村野球場に到着し監督として最後のキャンプが始まりました。

矢野監督は午前中から積極的に選手たちとコミュニケーションを取り、ブルペンでは昨シーズンセ・リーグの最多勝と最高勝率のタイトルを獲得し、初めての開幕投手を目指す青柳晃洋投手を指導しました。

矢野監督は後ろからじっくり投球を見つめたあと、青柳投手の決め球の1つであるシンカーについて、中日で活躍した山本昌さんから聞いたというひじを抜くように投げる感覚をアドバイスしていました。
指導を受けた青柳投手は「そんな投げ方があるのかと思った。また1つレベルアップするために取り組みたい。自分がだめなときから見てもらっている監督なので、勝つことで恩返しをしたい」と話していました。

矢野監督は「選手たちを鼓舞する初日になった。退任の意向を伝えたことで僕自身しっかりやりきる強い覚悟ができた。『いいキャンプができた』と思えるキャンプにしていく」と意気込みを示しました。

巨人(1軍 2軍 宮崎)昨季6勝 エース菅野がブルペン入り

練習前に原辰徳監督が選手やコーチ陣に「1人1人が強い思いの中で大きな目標を持ってスタートしてもらいたい」と呼びかけました。

昨シーズン、6勝7敗と不本意な成績だったエースの菅野投手は初日からブルペンに入り座ったキャッチャーを相手に投球練習を行いました。
菅野投手は「6割ほどの力」というものの力強い速球をキャッチャーの構えたところにコントロール良く投げ、スライダーとカーブもまじえて24球投げました。
菅野投手は今シーズン、投球回数を200イニングを投げることとタイトル獲得を目標にあげていて、中でもスライダーの精度を高めることをテーマに掲げています。

菅野投手は「自分自身を鼓舞する意味と初心にかえるという意味で初日からブルペンに入った。チームが3位に終わったという悔しさもあるし、タイトルを取りたいので、前のめりになるくらいの気持ちでやりたい」と話していました。巨人の1軍のキャンプは今月12日まで宮崎市でキャンプを行われその後は那覇市に移動する予定です。

広島(1軍 宮崎 日南)D1位黒原がブルペン入り

関西学院大からドラフト1位で入団した、黒原投手は先月の合同自主トレーニングから精力的に調整を進めさっそくブルペンに入りました。

黒原投手はキャッチャーの石原貴規選手に対し、ストレートを中心にカットボールやチェンジアップを34球を投げ込みました。
黒原投手は投球の合間に軸足の左足を意識するような素振りを見せながら34球すべてをセットポジションで投げ込みました。投げ終わった後は石原選手からすべての球種がいいとほめられたということです。

黒原投手は「ユニフォーム着て初めての練習だったのですごく新鮮だったし、1軍の皆さんと一緒に練習していい緊張感でできた。闘争心をもっと出してガツガツやっていきたい」と話していました。

中日 (1軍 沖縄 北谷町)立浪新監督 背番号73 初のお披露目

沖縄県で始まったキャンプでは、まずチームの写真撮影が行われ、立浪新監督の背番号「73」のユニフォーム姿がお披露目されました。このあと選手たちはリラックスした様子でウォーミングアップを行い、投手と野手に分かれて練習が始まりました。野手組では立浪監督がみずからバットを握ってノックを打ち、選手たちの動きを確認していました。

立浪監督は「朝、ユニフォームを着てとても身が引き締まりました。選手にはケガをしないようにとにかく緊張感を持ってやってほしい。和気あいあいではなくてピリッとしたムードでやっていかないといけない」と話しチームを引き締めることばでキャンプをスタートさせました。

一方、ことしは2年ぶりに観客を入れてキャンプが行われています。
沖縄県では、今月20日までまん延防止等重点措置が適用されているため、球場には感染対策を記した看板が設置されるなど対策が徹底されています。北谷町の球場ではあさから訪れたファンが氏名や連絡先を紙に書いて登録をしたあと、QRコードが記された券を使って入場していました。

中日の春のキャンプは、1軍が沖縄県北谷町で2軍は読谷村で今月25日まで行われます。

DeNA(1軍 沖縄 宜野湾)抑え復活へ 山崎がブルペン入り

首脳陣と1軍の選手たちは、練習前にグラウンドに集まり、チームの安全と晴天を願う神事に参加しました。

練習では抑えへの復活を目指す山崎投手が初日からブルペンに入りました。山崎投手は1年目から抑えを任され平成30年から2年連続で最多セーブのタイトルを獲得したものの不調からおととし去年と主に中継ぎで投げました。
三浦大輔監督や、今シーズン新たに就任した斎藤隆チーフ投手コーチらが見守る中、座ったキャッチャーを相手に審判をつけてアウトコースにストレートを35球投げました。

ことしのキャンプで三浦監督は投手陣全員にピッチャー有利のカウントを高い確率で作れるようなピッチングを求めていて、山崎投手は35球のうち22球がストライク判定でした。

山崎投手は「アウトコースの低めという原点を磨き直すと強い覚悟を持ってこのキャンプに臨んでいるのでこれから質を上げていきたい。クローザーに返り咲くのが目標なので、こだわって心を鬼にしてやっていきたい」と話していました。

DeNAの1軍キャンプは沖縄県宜野湾市で今月27日まで行われます。

また球団は、ドラフト1位ルーキーの小園健太投手と今シーズン加入した大田泰示選手の2人が新型コロナウイルスの陽性判定を受けたチームスタッフ1人の濃厚接触者の疑いのため、練習に参加せず自主隔離となったと発表しました。

【パ・リーグ】

オリックス(宮崎)昨季MVPの山本は軽めの調整

宮崎でキャンプを行うオリックスは、2年ぶりに観客を入れ歓迎セレモニーが行われました。

昨シーズン25年ぶりにパ・リーグ優勝を果たしたオリックスは、2年ぶりに観客を入れてキャンプを行い、宮崎市の清武総合運動公園には選手が到着する前から球場を訪れるファンの姿もありました。

はじめに歓迎セレモニーが行われ、オリックスの湊通夫社長は「宮崎でキャンプをやってきた成果が出て、恩返しができました。リーグ連覇、日本一に向けて実りのあるキャンプにしたい」と話し、球場にはパ・リーグの優勝旗が掲げられました。

また昨シーズン、パ・リーグのMVPに選ばれた山本投手は、ランニングを行ったあと、短い距離でキャッチボールを行い体を動かしました。このあと、山本投手は体重移動などを確認するやり投げのトレーニングで独自の調整をしながらリラックスした様子でキャンプ初日の練習を終えていました。
山本投手は「無事キャンプを迎えることができてうれしい気持ちと、また頑張ろうと気持ちを引き締められました。しっかり動けているし、体調もいいですが、コロナがはやっているので体調面に気をつけて過ごしていきたいと思う」と話していました。

また中嶋聡監督は「人がいるというのは非常にうれしいことだし、励みになる。このご時世なので、細心の注意を払いながら、中身にこだわっていきたいと思う」と話していました。

ロッテ(沖縄 石垣)佐々木朗が31球 D1位松川もブルペンに

石垣島のロッテのキャンプ地には、待ちわびたおよそ300人のファンが訪れました。

練習では3年目の佐々木朗希投手が初日からブルペン入りしました。去年プロ初勝利を含む3勝をあげプロ入り後、自己最速の159キロをマークした佐々木投手は開幕ローテーション入りを目指していて、ブルペンでは座ったキャッチャーを相手にストレートばかり31球力強いボールを投げました。

佐々木投手は「ちょっと力んでしまったが、基本的には気持ちよく強い球を投げることを意識してそれができたと思います。キャンプではけが無く過ごし、この期間にしかできない練習もあるので、いろんな練習に取り組んでいきたい」と話していました。

また市立和歌山高校からドラフト1位で入団したキャッチャー、松川虎生選手も初日からブルペンで、2年目の中森俊介投手などのボールを受けました。
松川選手は「あれだけ見られている中で、ボールを受けるのは初めてでしたが、いろんな選手の球を受けてそれぞれの特徴を覚えていきたいと思います。これからの1日1日を大切にして、毎日、目いっぱいやっていきたい」と話していました。

ロッテの春季キャンプは、今月13日までは石垣島で行われ、その後15日から20日までは、沖縄の糸満市で行われます。

楽天(1軍 沖縄 金武町)田中将大ブルペン入り

楽天の1軍キャンプは沖縄本島北部の金武町で始まりました。

はじめに日本球界復帰2年目となる田中将大投手などチーム全員で円陣を作り、就任2年目の石井一久監督が「チームとしてシーズンの主役を譲らないという気持ちで頑張りましょう」と呼びかけました。

ことしの楽天は「追い込むキャンプ」をテーマに石井監督が質より量を意識した練習を求めているということで、選手たちはウォーミングアップから意欲的な様子で取り組んでいました。

球場の入り口には入場開始の午前10時に15人ほどのファンが訪れ、検温したりワクチンの接種証明書を提示したりしてから入場していました。

球団によりますと、観客は球場の収容人数2000人に対し上限を500人とし、見学できるエリアを三塁側と外野の一部に限定するということです。
日本球界復帰2年目の田中将大投手は初日からブルペンに入り力強いボールを投げ込んでいました。

4勝に終わった昨シーズンからの巻き返しを期する田中投手は、大リーグのヤンキースから楽天に復帰した去年はキャンプに途中から合流したため2月1日に始動するのは9年ぶりとなりました。田中投手は早速ブルペンに入ってストレートを中心に36球、力強いボールを投げ込んでいました。

田中投手は「体はできているので慌てずしっかりとやっていこうかなと思う。ユニフォームを着てみんなの前で投げると自然と力も入るので、ブルペンでは余り行き過ぎないようにと気をつけた。開幕によい状態で入れるように1つずつステップアップをしてしっかり調整していきたい」と話していました。

またことしのキャンプは2年ぶりに観客を入れて行われ、初日はおよそ80人が訪れました。楽天の1軍キャンプは今月19日まで行われます。

ソフトバンク(A B組 宮崎)藤本新監督が若手指導も

2年ぶりのリーグ優勝と日本一を目指すソフトバンクの春のキャンプは宮崎市などで始まりました。今シーズンから指揮をとる藤本博史監督が冒頭、「競争なのでウォーミングアップからしっかり元気を出してアピールしてください」と選手たちに呼びかけました。これに応えるように選手たちは大きな声を出しながら、トレーニングに臨んでいました。
また、バッティング練習では藤本監督がみずからバットを持って若手などの指導にあたる姿もみられました。

藤本監督は「みんな元気があったし、明るくやってくれた。キャンプの1か月でこれだというものをつかんでほしい」と話していました。
また王貞治球団会長は「藤本監督の中に勝利のためにこういう形でいくというのが出てくるといい」と話していました。
ことしはまん延防止等重点措置が適用されている中、感染防止対策をとりながら2年ぶりに観客を入れて行われています。

観客が食事をとるエリアは限られ、使用する際には名前や連絡先を記したうえで、滞在時間は40分以内、テーブルは対面にならないように配置されるなど対策がとられています。またファンが選手に握手やサインを求めることも禁止されています。

キャンプは今月28日まで行われます。

日本ハム (1軍 沖縄 名護 2軍 沖縄 国頭村) 新庄監督驚きの登場

新庄監督は午前9時半すぎに白の三輪バイクに乗って登場し、入場待ちの観客などから驚きの声があがりました。

このあとグラウンドに出た新庄監督は、選手たちのランニングを見守り、足の運び方などに視線を送っていました。

またブルペンでは、ピッチングをしていたプロ7年目の上原健太投手のボールをじっくりと見てアドバイスを送っていました。

一方、球団では選手などに新型コロナウイルスの感染が相次いだことから、選手たちはマスクをつけて練習を行い、新庄監督は「マスクをつけての練習は大変だけど、きょうとあすは我慢してもらう」と話していました。
キャンプ初日を終えた新庄監督は「選手の動きを見て、せっかく練習をやっているのにもったいないと思った。練習を試合のようにやってほしい。あしたは名護のキャンプ地で1軍の選手を初めて見るので、選手の肩の強さを確認するためにちょっと何かやろうかなと思います」と話して新庄監督なりの選手のチェックを行うことを明らかにしました。

西武(A班 宮崎 日南)D1位隅田がブルペンで16球

歓迎セレモニーでは、辻発彦監督が「去年最下位だった悔しさを晴らせるようにチーム一丸となって優勝目指して頑張ります」とあいさつしました。

このあと、ピッチャー陣はキャッチボールなどで体を温めたあと全員がブルペンに入りました。

このうち去年のドラフト会議で最多となる4球団から1位で指名され、西日本工業大から入団した隅田投手は首脳陣が見守る中、座ったキャッチャーを相手にストレートを中心に変化球を交えながら力みのないフォームで低めのコースに16球投げました。
隅田投手は「平常心で投げることとまっすぐで強い球がいくように意識した。ストレートでどこまで勝負できるか試したいので、まずはストレートにこだわって投げたい」と話していました。

辻監督は「大学から入って1年目の選手なのでトントン拍子で期待するのは酷だが、戦力になってほしいと思う」と話していました。

西武の主力選手が参加する日南市でのキャンプは今月20日まで行われます。