3月分電気料金 過去5年で最高に 火力発電の燃料高騰が主な要因

大手電力会社10社のことし3月分の電気料金は、比較できる過去5年間で最も高い水準となります。
火力発電の燃料として使われるLNG=液化天然ガスなどの輸入価格が、大幅に上昇していることが主な要因です。

大手電力各社によりますと、ことし3月分の電気料金は10社のうち、9社で2月分より値上がりし、残る北陸電力は同額となります。

これは、LNGや石炭などの輸入価格が大幅に上昇していることが主な要因です。

10社の電気料金は、比較できる過去5年間で最も高い水準となっています。

このうち、2月分と比べて最も値上がり幅が大きいのは中部電力で、使用量が平均的な家庭の電気料金は292円上がって7949円となっています。

次いで東京電力が283円値上がりして8244円、東北電力が219円値上がりし8333円などとなっています。

電気料金は、利用者の負担が大きくなりすぎないよう燃料価格の上昇分を転嫁できる上限が定められていますが、関西電力と中国電力の一部の契約で、この上限を突破しました。

2月分で北陸電力は、すでに上限を超えています。

複数社で同時に上限を突破するのは、2009年に今の制度になってから初めてのことです。

脱炭素の流れの中で、世界的にLNGの需要は今後も伸びることが予想され、消費者や企業の負担が懸念されています。

電力・ガス会社の3月分の料金一覧

【電気料金】
使用量が平均的な家庭で2月分と比べて、
▽中部電力が292円高い7949円、
▽東京電力が283円高い8244円、
▽東北電力が219円高い8333円、
▽沖縄電力が213円高い8758円、
▽中国電力が174円高い8005円、
▽四国電力が138円高い7839円、
▽北海道電力が122円高い8266円、
▽九州電力が113円高い7104円、
▽関西電力が55円高い7473円、
▽北陸電力が2月分と変わらず7187円となっています。
【ガス料金】
ガス料金もLNGの上昇を受けて、
大手4社すべてで7か月連続で値上がりします。

使用量が平均的な家庭で2月分と比べて、
▽東邦ガスが229円高い6773円、
▽大阪ガスが226円高い6322円、
▽東京ガスが222円高い5611円、
▽西部ガスが168円高い6393円となっています。

燃料費調整制度

火力発電への依存度が高い日本では燃料価格の上昇による電気料金の急激な値上がりを防ぐため「燃料費調整制度」が導入されています。

この制度では燃料価格の変動をならすため過去3か月間の天然ガスや石炭、それに石油の価格の平均を算定して、2か月後の電気料金に反映させる仕組みになっています。

一方、利用者の負担が大きくなりすぎないよう燃料価格の上昇分を料金に転嫁できる上限も定められています。

家庭向けの契約の一部が対象で電力各社が定める基準価格の5割を超えて上昇した場合は、それ以上の分を電力会社が自社で負担することになります。

価格高騰の背景

JOGMEC「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」の白川裕調査役はLNGの価格高騰の背景について「ロシアとウクライナの間の緊張が高まってロシア産のガスの供給が滞るという懸念からヨーロッパでガス価格が高騰した。アジアのLNGのスポット価格は欧州ガス価格と連動しているため押し上げられる形で高騰している」と述べました。

また天然ガスを取り巻く情勢については「ヨーロッパではガス需要の4割をロシア産のパイプラインガスが占める一方、太陽光や風力発電の割合が進む中、夜間や風が吹かないときに電力を補うためのガス火力発電の重要性が一層増している」と指摘しました。

そのうえで「国際情勢の緊張があるとこれまでよりも顕著な形で価格に反映されてくることになる。地球の裏側で起こっているような事象が日本の電気料金にまで反映してしまう」と述べました。

関西電力「会社の努力で吸収できる」

関西電力の多くの契約では燃料費の上昇分が自動的に上乗せされますが、一部の契約では、上乗せできる上限が設定されていて、今回、この上限を突破しました。

こうした契約では、今後、さらに燃料費が上昇しても電気料金には上昇分を上乗せできず、電力会社が負担することになります。

関西電力の森本孝社長はオンラインの決算会見で「電気料金の上昇が続いてユーザーの皆さんには申し訳なく思っている。転嫁の上限に達したことで一定程度の影響はあるが、会社全体の努力の中で吸収できるものだ」と述べ、コスト削減などを進めて業績への影響を抑えたいという考えを示しました。