コロナ抗ウイルス薬 オミクロン株への効果は対デルタ株と同等

新型コロナウイルスのオミクロン株に対する治療薬の効果について東京大学などのグループが培養細胞を使って実験したところ、今、使われている抗ウイルス薬はデルタ株に対するのと同等の効果がみられたとする研究結果を発表しました。

この研究は東京大学医科学研究所の河岡義裕特任教授らのグループが、アメリカの医学雑誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表しました。

グループはオミクロン株のウイルスを培養した細胞に感染させ、そこにさまざまな治療薬を投与して反応を調べました。

その結果、新型コロナの抗ウイルス薬として国内でも承認されている「レムデシビル」と「ラゲブリオ」=一般名「モルヌピラビル」の2種類の薬は、ウイルスの増殖を抑える効果がいずれもデルタ株に対してと同じレベルだったということです。

また抗体を使った治療薬について「ソトロビマブ」は従来のウイルスに対するのと比べ反応は14分の1に低下したものの必要な効果は保たれていましたが、厚生労働省がオミクロン株への使用を推奨しないとしている抗体カクテル療法の「ロナプリーブ」は効果がほとんど確認できなかったということです。

河岡特任教授“臨床現場での治療の参考に”

河岡特任教授は「オミクロン株は多くの変異が起こっているので臨床現場で使われている薬の有効性を調べる研究は重要だ。臨床現場での治療の参考にしてほしい」と話しています。