ENEOS 和歌山製油所を閉鎖へ 脱炭素化でガソリン需要落ち込み

脱炭素化でガソリンの需要が落ち込むなか、石油元売り最大手のENEOSホールディングスは来年10月をめどに、和歌山県有田市にある和歌山製油所を閉鎖すると発表しました。

これはENEOSホールディングスの大田勝幸社長が25日開いたオンラインの記者会見で明らかにしました。

それによりますと、会社全体で生産の効率化を進めるため、和歌山県有田市にある和歌山製油所を来年10月をめどに閉鎖する方針を決定したということです。

紀伊水道に面した和歌山製油所は東亜燃料工業の時代、1941年に操業を開始した歴史ある製油所で、ガソリンなどの燃料や潤滑油、石油化学品など幅広い製品を生産してきました。

ENEOSは、自動車の燃費向上や電動化に国内の人口減少などガソリンの需要が落ち込むなか、製油所の再編を加速させています。

3年前全国で合わせて15か所あった製油所と製造所の数は、今回の閉鎖によって10か所に減ることになります。

和歌山製油所のおよそ450人の従業員については、ほかの事業所への転勤などを含めて雇用を継続するとしています。

会見で大田社長は「厳しい事業環境の中で競争力を強化するための苦渋の決断だ」と述べました。

地元からは懸念の声

和歌山製油所の閉鎖が決まったことについて、地元の人からは、地域経済の衰退を懸念する声が聞かれました。

このうち、40代の自営業の男性は「有田市にとっては欠かせない企業だったと思います。関連する企業もかなり撤退するだろうし、市が衰退していくのを見るのはさみしい気がします」と話していました。

また、70代の会社員の男性は「製油所からの税金などで有田市は潤ってきたので閉鎖にはびっくりしています。働くが場がなくなりこれからの子どもたちが市外に出て行かないか心配です」と話していました。

さらに、70代の主婦の女性は「製油所のおかげで地元が発展したところもあるので、今後、どうなるのか不安です。さみしいですが、会社も生きていかないといけないのでしかたがない」と話していました。

知事「地元に相談なく大変遺憾」

和歌山県の仁坂知事は「和歌山製油所は地域一体となって支えてきた歴史がある。地元に相談なく一方的に製油所機能の停止を決定すると言うやり方は大変遺憾だ。速やかに撤回し存続を図るよう求めるとともに、脱炭素時代にふさわしい新たな事業を和歌山製油所で実施するよう強く求めたい」とコメントしています。

また、有田市の望月良男市長は「和歌山製油所は市内最大の企業として81年の長きにわたり、雇用や市財政、産業振興など有田市の発展に寄与し、地域と共存していただきました。今回の発表は大変残念でなりません」とコメントしています。