春闘 事実上スタート 経団連“収益拡大なら積極的に賃上げを”

経団連と連合の幹部が出席する「労使フォーラム」が開かれ、ことしの春闘が事実上、スタートしました。連合の芳野会長は「日本の賃金は国際的に比較しても20年以上にわたり上がっていない」などと述べ、働く人全体への積極的な賃上げを求めました。

ことしの春闘は25日、都内で経団連と連合の幹部が出席する「労使フォーラム」がオンライン形式で開かれ、事実上、スタートしました。

午後は連合の芳野会長が講演し「日本の賃金は国際的に比較しても20年以上にわたり上がっていない。消費を回復するには所定内賃金の増加が必要だ」などと述べました。

そのうえで「働く人全体への積極的な賃上げが必要だ」として、年齢や勤務年数に応じた定期昇給とベースアップに相当する分として合わせて4%程度の賃上げを求めました。

これに先立って経団連の十倉会長があいさつし、賃上げについて「人への投資の観点や成長と分配の好循環の実現への社会的な期待も考慮した主体的な対応を強く呼びかける」と述べ、収益が拡大している企業は積極的に賃上げを行うべきだと強調しました。

ことしの春闘に向けて岸田総理大臣は「新しい資本主義」の実現のため業績がコロナ前の水準に回復した企業は3%を超える賃上げを実現するよう経済界に協力を呼びかけています。

ただ新型コロナウイルスの感染の再拡大や原材料価格の上昇などで経営の先行きが見通しにくい中、賃上げの動きがどこまで広がるかが焦点です。

経団連の十倉会長と連合の芳野会長は26日会談して賃上げに対する双方の立場を確認する予定で、来月中ごろからは自動車や電機メーカーなどの労働組合が要求書を提出して交渉が本格化します。

連合 芳野会長「賃上げ要求し交渉することが重要」

「労使フォーラム」の中で連合の芳野会長は「過去20年間の賃金を国際的に比較してみると日本だけ賃金がずっと上がっていない。所得の中間層が減り続ける一方で平均所得以下の低賃金層が増えている。消費を回復するには所定内賃金の増加が必要だ。適正な成果配分が必要だが生産性が上がってもそれに見合った賃上げをしてこなかったことが今の状況につながっている」と述べました。

そのうえで「大手も中小も労働組合がしっかり賃上げを要求し交渉していくことが重要だ。コロナ禍のしわ寄せをうけているのは女性でジェンダーの視点を取り入れ取り組みたい。社会全体の底上げや格差の是正を進めていく」と訴えました。

官房長官「賃上げ実現を期待」

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「ここ数年低下する賃上げの水準を一気に反転させ『新しい資本主義』の時代にふさわしい賃上げを実現していただくことを期待している」と述べました。