「東京ルール」適用増加 感染急拡大で“救急搬送困難”に

東京都内では新型コロナウイルスの感染の急拡大にともなって、救急搬送が困難になるケースが第5波の水準をすでに上回り、急増しています。
都の専門家は「救急患者の受け入れ体制がひっ迫している」と指摘し、危機感を示しています。

都は救急患者の受け入れ先を探す際に救急隊が5つ以上の病院に断られたり、20分以上経過しても決まらなかったりして困難となった場合、地域の中核病院などが搬送先を探す「東京ルール」という仕組みを運用しています。

この仕組みの適用件数は、感染の急拡大にともなって増加していて、7日間平均は、今月20日時点で214.3件になりました。
去年夏の第5波のピークは、8月13日の145.1件で、すでにおよそ1.5倍となっています。
1日ごとに見ると、今月最も多かった18日は260件に上りました。

専門家は「救急患者の受け入れ体制がひっ迫している。冬場は脳卒中や転倒による骨折などの患者がものすごく多く、救急はかなり大変な時期だ」と指摘しています。
そのうえで「新型コロナのために病床を確保し続けたり、コロナの患者が増えたりすると、一般医療も含めてかなり大変な状況になる。ギリギリのところでやっている印象だ」として、危機感を示しています。