噴火被害のトンガ 各国の支援本格化 コロナ対策との両立課題

海底火山の大規模噴火で被害を受けたトンガに対する各国の支援が本格化しています。一方、現地に向かっていたオーストラリア軍の輸送機が、隊員の中に新型コロナの陽性者が確認されたことから途中で引き返すなど、新型コロナの影響も出ていて、感染対策と支援の両立が課題となっています。

南太平洋の島国トンガでは今月15日に起きた海底火山の大規模な噴火のあと、火山灰や津波によって各家庭の貯水タンクが被害を受け、飲料水の供給が急務となっています。

トンガの港には25万リットルの飲料水を積んだニュージーランド軍の艦船が21日に到着し、23日もコンテナを降ろす作業を進めました。

またアメリカとイギリスも支援物資を届けるため艦船を派遣するなど、各国の支援が本格化しています。

一方、トンガ政府は支援活動をきっかけとして、国内に新型コロナウイルスが流入することを警戒していて、各国に対し、物資の引き渡しは人と人との接触を避けて行うことなどを求めています。

20日には支援物資を積んだオーストラリア軍の輸送機が、隊員の中に新型コロナの陽性者1人が確認されたことから、途中で引き返し、急きょ、別の輸送機が派遣されました。

オーストラリアのセセルジャ太平洋担当相は22日の会見で、「噴火と津波による人道危機に新型コロナの危機を加えないでほしいという、トンガ政府の意向を尊重する」と述べ、感染対策に細心の注意を払って支援を進める考えを強調しました。

証言「波が何度も押し寄せた」

南太平洋の島国トンガでは、今月15日に海底火山が噴火したあと津波が押し寄せ、島々で家屋が倒壊するなどの被害が出ています。

被害を受けた場所のひとつ、首都のあるトンガタプ島の西部沿岸で2008年からリゾート施設を経営しているという夫婦が、当時の状況を証言しました。

ジョン・トゥクアフさんは噴火が起きた際、自宅にいましたが、海沿いのリゾート施設にいた妻のマリアンさんから「海の様子がおかしい」などと連絡があったため、車で迎えに行って一緒に避難したということです。

トゥクアフさんは、「サイレンは作動しなかった。人々は津波が来るなんて思いもせず、ふだんどおりの生活を送っていて、街角で買い物を続けている人さえいた」と当時の様子を振り返ったうえで、「津波だ、みんな、津波だ、逃げろ!」と道行く人たちに向かって叫んだと述べています。

マリアンさんは、「波はどんどん強くなり、高さを増しながら、何度も押し寄せてきた。海のほうを見ると火山の周りは火山灰で真っ白だった。あのような光景はこれまで見たことがなかった」と証言しています。

リゾートに滞在していた客2人は、マリアンさんの呼びかけに応じてなんとか高台に避難できたため無事だったということですが、夫婦の経営するリゾート施設は津波に押し流されてしまいました。

今月18日に撮影された現地の映像では、リゾート施設とともになぎ倒されたとみられる木々やがれきが積み上がり、津波の衝撃の大きさをうかがわせています。