【詳しく】トンガで海底火山噴火 現地はいま 最新情報まとめ

南太平洋の島国・トンガ付近で起きた海底火山の噴火から1週間。

現地との通信が遮断され、なかなか被害の全容がつかめない中、現地の状況が徐々に明らかになってきました。南太平洋で唯一、王室が残り、日本の皇室とも深い親交があるトンガはいま、どうなっているのか。これまでに入っている情報をまとめました。

(国際部記者・鈴木康太、吉元明訓/シドニー支局 青木緑)

噴火はどこで起きたの?

大規模な噴火が起きた海底火山「フンガ・トンガ フンガ・ハアパイ」は、日本からおよそ8000キロ離れた南太平洋のトンガの首都ヌクアロファから北に65キロ。

噴煙は上空1万5000メートル余りに達したと見られています。

噴火から3日後、18日に声明を出したトンガ政府は「津波の高さは最大で15メートルに上り、多くの島が被害を受けた」と初めて被害の状況を明らかにしました。

トンガの被害の情報は?

現地との通信が難しく1週間たった今も全容はまだはっきりわかっていませんが、各地で大きな被害が出ているようです。
【トンガの閣僚が20日にSNSに投稿した写真(地図の1)】
首都ヌクアロファがあるトンガタプ島の北西部で撮影したとされる写真です。

ビーチだった場所では多くの木が倒れ、木の枝があたり一面に散乱するなど、変わり果てた様子となっています。
【噴火した海底火山から東に70キロほどの場所にあるノムカ島(地図の2)】
左の噴火前の写真では、海岸沿いに緑色の木々や畑が広がり建物が点在しているのがわかります。

しかし、噴火後の右の写真では火山灰で一面灰色となり、住宅がなくなっているように見える場所もあります。

画像を分析した国連の機関では、ノムカ島ではこれまでに50あまりの建物が津波の被害を受けたとしています。
【海底火山から東に75キロほどのマンゴー島(地図の3)】
この島では、島の北部の海岸沿いに住宅などが集まっていましたが、噴火後、建物はすべて津波によって押し流され、何もなくなっているように見えます。

トンガ政府は「マンゴー島ではすべての家屋が倒壊。トンガ全土で3人が死亡、けが人も多数出ている」と発表しています。

なぜトンガと連絡がとれないの?

噴火の後、トンガでは電話やインターネットがほとんどつながらない状態が続いています。

これはトンガの通信の生命線となっている海底ケーブルが津波で損傷したためです。

19日には、トンガで携帯電話事業を展開する企業が国際電話のサービスが復旧したと発表しましたが、依然としてつながりにくい状態が続いています(21日現在)。
現地の海底ケーブルを保守・管理する企業は「ケーブルの修理にあたる船とスタッフの安全確保が最大の課題で、火山活動が続く海域を航行するリスクを冒すことはできない」と作業を慎重に進める考えで、通信が完全に復旧するには1か月近くかかる可能性もあるとしています。

現地でいま必要なものは?

最も必要になっているのは“水”です。

170の島々からなるトンガでは、雨水をためて飲み水や生活用水として使う家庭も多く、大量に降った火山灰や津波で流れ込んだ海水の影響で清潔な水の確保が困難になっているのです。
こうした中、現地の空港では滑走路などに積もっていた火山灰を取り除く作業がようやく終わり、20日にはオーストラリアとニュージーランドから飲料水などの支援物資を載せた航空機が到着、各国による支援もようやく始まっています。

新型コロナが支援の壁に?

実はトンガでは、世界的に新型コロナの感染が拡大して以降、これまでに確認された感染者はわずか1人(WHO=世界保健機関調べ)。

これは島国という特性とともに、厳しい水際対策を続けてきた結果です。

オーストラリアに駐在しているトンガの政府高官は、各国の支援について「コロナの波を持ち込んでほしくない」と語るなど、新型コロナの感染拡大に神経をとがらせています。
各国に先立ち現地入りしたオーストラリアとニュージーランドは、支援物資の引き渡しは人との接触を避けて行い、軍用機がトンガにとどまる時間も最小限に抑えるなど、細心の注意を払いながらの支援となっているのです。

実は親交が深いトンガと日本

人口およそ10万人のトンガ王国。

日本から遠く離れた南太平洋の島国ですが、トンガの王室と日本の皇室は古くから親密な交流があります。7年前に行われたトンガ国王の戴冠式には、当時皇太子だった天皇陛下が皇后さまと一緒にトンガを訪問し、トンガの人たちから歓迎を受けられました。

東日本大震災のときには、トンガ政府や市民から日本に寄付金も寄せられています。

わたしたちになにができるのか?

オリンピックの開会式でトンガ代表の旗手として民族衣装を身にまとって行進し、話題となったピタ・タウファトファ選手はトンガへの寄付を募るクラウドファンディングを立ち上げています。

日本人からも寄付が寄せられているということで、NHKの取材に「日本人も過去に津波で大惨事を経験しているので、私たちの窮状を理解してくれていると思う。日本人からもらった寄付やメッセージに心の底から感謝している」と話し、母国への支援を呼びかけています。