“留学生らの入国認めて” 北米の日本研究者ら日本政府に書簡

新型コロナウイルスの水際対策として、外国人の新規入国を原則停止している日本政府の対応をめぐり、アメリカやカナダの日本研究者らは国際関係への長期的な影響が懸念されるなどとして、留学生や研究者の入国を認めるよう求める書簡を日本政府に送付しました。

オミクロン株の世界的な拡大を受けた水際対策として、政府は去年11月末から、外国人の新規入国を原則として停止していて、来日を予定していた留学生や研究者の多くが入国できなくなっています。

こうした中、アメリカやカナダで日本の政治や文化などを研究する専門家や、国際交流団体の代表者ら100人以上が留学生や研究者の入国を認めるよう求める書簡に署名し、日本政府に送りました。

書簡では、日本への入国停止が続く中、北米の学生は留学先や、語学や専攻の選択を変更し始めているなどとして、日本への関心や、交流の頻度が低下することに懸念を示しています。

また、厳しい国境の閉鎖は、日本が掲げる「自由で開かれたインド太平洋」のビジョンに反し、国益を損ないかねないとしたうえで「将来、日本の国際協力に貢献していく人の入国が許可されるよう、入国制限と水際対策の早期緩和を強く要望する」としています。

署名した研究者の一人で、トロント大学のフィリップ・リプシ―准教授は「留学生や研究者の交流は日本の外交の礎だ。入国停止が続けば、『知日派』を育てる機会が失われる」として、日本の外交にも長期的な影響が出る可能性を指摘しています。