日銀 オミクロン株で中小企業の資金繰り警戒 支援策延長決める

日銀は、12月に開いた金融政策決定会合の議事要旨を公表しました。政策委員からは、オミクロン株の感染拡大が中小企業の資金繰りに与える影響への警戒感が相次いで示され、資金繰り支援策の延長を決めました。

日銀は、去年12月に開いた金融政策決定会合の議事要旨を公表しました。

それによりますと、オミクロン株について複数の政策委員から「感染が再拡大した場合、中小企業は資金繰りなどで悪影響を受けやすい」といった指摘が相次ぎ、ある委員は「早めに支援の方針を明らかにし、安心感を与えることが望ましい」と述べました。

こうした意見を踏まえ、日銀は、ことし3月末が期限の中小企業向けの資金繰り支援策を9月末まで延長することを決めました。

また、物価の状況について、ある委員が「食品やエネルギー関連だけでなく幅広い品目で値上げが行われている」と指摘しました。

別の委員が「値上げの許容度の低さや賃金の上がりにくさといったわが国の事情を念頭においた従来のリスク評価が妥当か、改めて点検が必要だ」と述べたほか、ある委員は「現段階での政策の修正は景気後退と物価下落をもたらしかねない」と指摘しました。