中国 中央銀行 事実上の政策金利 引き下げを発表 2か月連続

中国の中央銀行は、事実上の政策金利を引き下げると発表しました。引き下げは2か月連続で、減速が続く景気を一段の金融緩和で下支えするねらいです。

中国の中央銀行、中国人民銀行は20日、金融機関が企業などに融資を行う際の目安となる「LPR」という指標の1年ものの金利をこれまでより0.1%引き下げ、3.7%にすると発表しました。

LPRは事実上の政策金利で、引き下げは2か月連続です。

中国経済は先月までの3か月間のGDP=国内総生産の伸び率が前の年の同じ時期と比べてプラス4.0%と前の3か月よりも伸び率が縮小し、減速が続いています。

さらに各地で新型コロナウイルスの感染が拡大して先行きの不透明感も強まっていて、一段の金融緩和で景気を下支えするねらいです。

また住宅ローンの金利の目安とされる5年もののLPRも0.05%引き下げました。引き下げは1年9か月ぶりです。

不動産市場の過熱に対する当局の規制強化によって市況が悪化し、景気減速の要因の1つになっていることから一層の落ち込みを防ぐ思惑もあるとみられます。

中国政府は、ことしの経済政策の方針として「安定重視」を掲げていて、アメリカなどがインフレに対応するため金融の引き締めに向かう中、中国では、今後も状況に応じて金融緩和が行われる可能性があるとの見方が出ています。