アメリカ 空港で5Gのサービス開始を前に 航空便の欠航相次ぐ

アメリカでは高速・大容量の通信規格、5Gの新しいサービスが空港で始まるのを前に、一部の航空機で高度を計測する電波高度計に支障が出る可能性があるとして航空便の欠航が相次ぐ事態となっています。

アメリカでは大手通信会社による高速・大容量の通信規格、5Gの新たなサービスが一部の空港で始まる計画ですが、連邦航空局や航空業界はこのサービスが始まれば一部の航空機で高度を計測する電波高度計に支障が出る可能性があるとして懸念を示しています。

5Gの新たなサービスは当初の計画より延期されて今月19日から始まる予定ですが開始を前に航空便の欠航が相次ぐ事態となっています。

ロイター通信は、アメリカン航空など航空各社がブティジェッジ運輸長官らに書簡を送り、運航のキャンセルや目的地の変更、遅延によって1日で1100便以上、10万人以上の乗客が影響を受けるおそれがあると警告したと伝えています。

一方、大手通信会社AT&Tは、一部の空港の滑走路の周りではサービスの開始を一時的に遅らせる対応をとるとしています。

米大統領 大手2社 主要空港はサービス開始遅らせ混乱排除

一方、バイデン大統領は18日、声明を発表し、5Gの新たなサービスについて、大手通信会社のAT&Tとベライゾンの2社との間で主要な空港周辺ではサービスの開始を遅らせることで合意したと発表しました。

期間については明らかにされていません。

声明では、合意によって人々の移動や貨物の運搬に混乱が起きる可能性を排除したうえで、通信施設の90%以上を稼働させることができるとしています。

全日空と日本航空のアメリカ便も一部に影響

この問題で、全日空と日本航空は日本とアメリカを結ぶ一部の便の欠航するなど、影響が出ています。

欠航したのは全日空が、羽田とロサンゼルスやニューヨークを結ぶ便など8便、日本航空が成田とニューヨークを結ぶ便など3便です。

いずれもボーイング社が、機体の電波高度計に影響する可能性があるとしている「777型機」の運航について欠航しましたが、全日空と日本航空は5Gの新たなサービスの開始が延期され、安全上の問題がないことが確認されたとして今後、運航を再開するということです。

「電波高度計」とは、航空機から地上に電波を発射して跳ね返ってきた時間を測ることで高度を割り出す装置で、支障が出ると「777型機」などの場合、機体の姿勢の制御に影響が出る可能性があるということです。

一方、国土交通省によりますと、日本国内では、5Gの基地局を設置する際に総務省が航空機の運航に影響がないことを確認しているほか、設置後も航空会社から支障が出たという報告は受けていないということです。

5G 航空機の電波高度計の周波数に近い

アメリカ連邦航空局によりますと計画されているのは「Cーband」と呼ばれる周波数帯域を使った新たな5Gのサービスで周波数は、航空機の高度を計測する電波高度計の周波数に近いということです。

連邦航空局は、周波数が近いことが危険な干渉を引き起こさないようにするため、電波高度計が正確で信頼できる必要があるとしています。

このため、航空機で使用されている電波高度計の中に支障が出るものがないか、確認する作業を進めているということです。