救急搬送困難な事例が過去最多 コロナ感染拡大で 総務省消防庁

今月に入って新型コロナウイルスの感染が拡大しているのに伴って、救急患者の受け入れ先がすぐに決まらない「搬送が困難な事例」が4100件余りと、過去最多となったことが総務省消防庁のまとめでわかりました。

総務省消防庁は、患者の搬送先が決まるまでに病院への照会が4回以上あったケースなどを「搬送が困難な事例」として、県庁所在地の消防本部など全国の52の消防機関の報告をもとに毎週、取りまとめています。

それによりますと、16日までの1週間では前の週の1.4倍の4151件と、これまで最も多かった去年8月の第2週の3361人を上回り、過去最多となりました。このうち新型コロナウイルスの感染が疑われるケースは1031件で、前の週の1.9倍に急増しています。

地域別にみますと、東京都が2149件、大阪市が352件、横浜市が209件、千葉市が206件、さいたま市で158件、札幌市で145件などと都市部で多くなっています。

新型コロナウイルスの感染拡大前に当たるおととしの同じ時期に比べると、東京都が3.4倍、さいたま市が3.2倍、横浜市が2.9倍、札幌市が2.7倍、大阪市が2.1倍、千葉市が1.8倍などとなっています。

総務省消防庁は「コロナの感染者の増加に伴い、搬送が困難な事例は今月に入ってから急激に増加している。状況がすぐに改善するとは考えにくく、今後の状況を注視していきたい」と話しています。