軽井沢スキーバス事故裁判 ブレーキ操作状況など専門家ら証言

6年前、長野県軽井沢町で大学生など15人が死亡したバス事故で、業務上過失致死傷の罪に問われているバス会社の社長と元社員の裁判で、事故の鑑定を行った専門家らが直前のブレーキ操作の状況などについて証言しました。

6年前の平成28年1月、軽井沢町でスキーツアーのバスがカーブを曲がりきれずに道路脇に転落し、大学生など15人が死亡し、26人がけがをしました。

この事故で、バスを運行していた東京の会社「イーエスピー」の社長、高橋美作被告(60)と、運行管理担当の元社員荒井強被告(53)は、大型バスの運転に不慣れな運転手が死傷事故を起こす可能性があると予見できたのに、必要な訓練をしなかったなどとして、業務上過失致死傷の罪に問われています。

18日、長野地方裁判所で開かれた裁判では、事故を捜査した警察官が検察側の証人として出廷し「データを分析した結果、事故直前、運転手はギアを誤って加速してしまい、ハンドル操作も遅れてカーブを曲がりきれなかった。運転手の技術が未熟だった」と述べました。

続いて、事故の鑑定を行った専門家は「現場近くのタイヤ痕などから、運転手はブレーキを踏んでいたがスピードが落ちるほどではなかった」と証言しました。

これまでの裁判で、被告の弁護士は「運転を禁じるほど技術的に未熟とは認識していなかった。事故を事前に予期するのは不可能だった」などと述べ、いずれも無罪を主張しています。

息子亡くした父親「後悔しかない」

大学生の息子を亡くした田原義則さんは、裁判のあと報道陣の取材に応じ「裁判で事故の原因がわかってきたことで、改めて技量が未熟な運転手のバスに、なぜ息子を乗せてしまったんだろうという後悔しかない」と悔しさをにじませました。

そのうえで「前を向いて生きていくと息子と約束した。裁判で明らかになる事故の原因などをもとに、二度と同じような事故が起こらないよう訴えていきたい」と話していました。