新型コロナで苦境のミニシアター 東京 下北沢で新たに開業

新型コロナウイルスの影響で大手が扱わない映画作品を上映する「ミニシアター」の経営環境が厳しくなるなか、文化の発信地として知られる東京 下北沢で新たなミニシアターが開業することになりました。

シモキタの愛称で知られる東京 下北沢は雑貨店やライブハウス、劇場などが集まり、文化の発信地として知られています。

私鉄大手の小田急電鉄が駅と線路を地下に移設し、その跡地にこのミニシアターは誕生します。20日の開業を前に18日、報道陣に公開されました。

座席数は71で、地域の人に親しみを持ってもらおうと、上映前に流れるマナーを呼びかける映像には地元のライブハウスや飲食店の店主が出演しています。

ミニシアターを巡っては新型コロナウイルスの影響で観客が落ち込んで閉館するところも出ています。

この施設は同じ建物にカフェやシェアオフィスも併設してビル全体で経営が成り立つよう工夫しているということです。

今後、音楽映画やドキュメンタリーなど多様な作品を上映するほか、赤ちゃん同伴の人向けの上映日も設ける予定です。
ミニシアターを運営する団体「Incline」の大高健志さんは「映画のファンを増やして業界全体に貢献したい」と話していました。

相次ぐ「ミニシアター」閉館 経営環境厳しく

埋もれた名作を発掘し、大手の配給会社が扱わない映画作品を上映する「ミニシアター」は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けています。

54年の歴史がありミニシアターの先駆けとして知られる東京 神保町の「岩波ホール」は急激に経営環境が変化し、運営が困難になったとして、ことし7月29日に閉館することを決めました。

また、東京 渋谷の「アップリンク渋谷」も資金繰りが厳しくなったとして去年5月に閉館しました。

ミニシアターを巡ってはクラウドファンディングを通じて運転資金を支援するなどの動きも出ていますが、新型コロナの感染が再び拡大する中で厳しい経営環境となっています。