北朝鮮飛しょう体“連続発射能力向上ねらいか”韓国軍関係者

韓国軍の関係者は、北朝鮮が17日、首都ピョンヤンの郊外から発射した短距離弾道ミサイルと推定される2発の飛しょう体について、発射の兆候を把握していたとしたうえで、連続発射の能力や精度の向上を図るねらいがあるという見方を示しました。

韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が17日午前8時50分ごろと54分ごろ、首都ピョンヤン郊外のスナン(順安)にある国際空港付近から日本海に向けて短距離弾道ミサイルと推定される飛しょう体を2発発射したと発表しました。

飛行距離はおよそ380キロ、高度はおよそ42キロだったとしています。

これについて、韓国軍の関係者は、発射の兆候を把握していたとしたうえで、連続発射の能力や精度の向上を図るねらいがあるという見方を示しました。

韓国外務省は、ノ・ギュドク(魯圭悳)朝鮮半島平和交渉本部長が、外務省の船越アジア大洋州局長とアメリカ国務省で北朝鮮問題を担当するソン・キム特別代表と電話で会談し、朝鮮半島の安定と速やかな対話再開のために3か国で緊密に協力していくことを確認したと明らかにしました。

慶應大学 礒崎教授「多様な兵器そろえようとしている段階」

北朝鮮政治が専門の慶應義塾大学の礒崎敦仁教授は、北朝鮮がことしに入ってミサイルの発射実験を繰り返していることについて「もともとキム・ジョンウン(金正恩)政権は、短期間に連続してミサイル発射を行う傾向がある。去年1月の朝鮮労働党大会で国防力強化の大号令がかかっていて、抑止力強化のために性能のよい多様な兵器をそろえようとしている段階にある」という見方を示しました。

また今回、首都ピョンヤン郊外から発射したことについては「去年末にキム総書記は『訓練第一主義』や『常に動員準備せよ』などと述べていて、いつでも、どこからでも発射できるという態勢を整えている」と指摘しました。

さらに礒崎教授は、対外的なねらいについて「ミサイルの発射実験を行ったことによって、アメリカが北朝鮮に譲歩してくるかというと、簡単でないことは北朝鮮自身が分かっているはずで、没交渉状態であるからこそ、国防力、軍事力、そして抑止力の強化を図っている」と述べました。

一方で、「キム総書記は『対話と対決のどちらにでも備える』と述べていて、中長期的にはアメリカの対応を見極めながら対話のタイミングを見計らっている」と分析しています。

中国外務省 “関係国は対話再開を”

中国外務省の趙立堅報道官は、17日の記者会見で「関係国は、朝鮮半島の平和と安定という大局に立って、対話と協議という正しい方向を堅持し、朝鮮半島問題の政治的解決のプロセスを推し進める努力をするよう求める」と述べ、北朝鮮やアメリカなどの関係国に重ねて対話の再開を呼びかけました。

日米韓高官 核やミサイルの開発活動などへの強い懸念を共有

北朝鮮による弾道ミサイルの発射を受け、外務省の船越アジア大洋州局長、アメリカ国務省のソン・キム北朝鮮担当特別代表、韓国外務省のノ・ギュドク朝鮮半島平和交渉本部長は、17日午後、およそ30分間、電話協議を行いました。

この中で、3氏は、たび重なる弾道ミサイルの発射を含めた最新の北朝鮮情勢について意見を交わし、核やミサイルの開発活動などへの強い懸念を改めて共有しました。

そのうえで、国連の安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化の実現に向けて、日米韓の3か国で方針を綿密にすり合わせながら、外交的な取り組みや地域の抑止力強化などを進めていくことで一致しました。

協議のあと船越氏は記者団に対し「2週間で4回発射されたことは深刻に受け止めている。今週にはオンライン方式で日米首脳会談も行われる中で、日米同盟さらには日米韓の連携をしっかりと強化していく。一方で北朝鮮に対する外交的ドアはオープンにしておく必要があり、アメリカも引き続き外交的取り組みを諦めないという認識だ」と述べました。