募金活動で硬貨を取り扱う団体からは、戸惑いの声があがっています。
このうち盲導犬の育成を行う日本盲導犬協会では、運営費の多くを企業や個人からの寄付と募金でまかなっていて、全国およそ1万8000か所の商店などに募金箱を設置しています。
集まった募金は、商店などの協力者が年に一度、郵便局の窓口から協会に振り込んでいて、総額は年間1億5000万円に上ります。
募金は、1円や5円といった硬貨が多いことから、手数料が募金額の1割から2割ほどになるおそれがあり、協会では善意で集まった募金が目減りしてしまうと危惧しています。
また、協会には、手数料の導入に伴い、複数の協力者から「手数料を取られるなら、募金箱の設置をとりやめたい」という相談が寄せられたということです。
こうした声を受けて、協会では、協力者に対して募金の一部を手数料に充てるよう連絡するとともに、手数料なしで募金を取り扱ってもらえるよう、ほかの金融機関に要請することにしています。
日本盲導犬協会の横江湧真さんは「1円や10円の積み重ねで成り立っている事業なので、募金してくれた方の善意の輪に対して、硬貨だからという理由で一律に手数料を引かれてしまうのは非常に残念です」と話していました。

ゆうちょ銀行 硬貨での預け入れや振り込みに手数料 きょうから
ゆうちょ銀行では、17日から硬貨で預け入れをする際などに枚数に応じて手数料がかかるようになりました。利用者からは理解を示す声がある一方、困惑する声も聞かれました。
ゆうちょ銀行では、17日から硬貨で預け入れや振り込みをする際、枚数に応じて手数料がかかるようになりました。
窓口では硬貨の種類にかかわらず50枚までは無料ですが、
▽51枚から100枚までは550円
▽101枚から500枚までは825円
▽501枚から1000枚までは1100円で
これより多い場合は500枚増えるごとに550円加算されます。
またATMで預け入れをする場合は、硬貨の種類にかかわらず1枚から手数料がかかります。
▽1枚から25枚までは110円
▽26枚から50枚までは220円
▽51枚から100枚までは330円です。
硬貨の取り扱い手数料は低金利で収益環境が悪化していることもあり大手銀行や地方銀行でも導入が相次いでいて、ゆうちょ銀行では硬貨の利用が年々増えコストが膨らんでいたことから導入を決めたとしています。
最近はキャッシュレス決済も広がっていますが、硬貨の決済が多い商店や、さい銭を扱う寺や神社などでは影響が出そうです。
また駅や空港など郵便局やゆうちょ銀行の店舗以外の場所にある自社のATMの利用についても、平日の夜間や休日に限って17日から手数料が必要になりました。
手数料について利用者の男性は「ほかの金融機関も手数料が必要だからしかたがない」と話していました。
一方、郵便局をよく利用しているという80代の女性は「ゆうちょ銀行は自分のお財布代わりに使っているが、手数料が必要になると使いにくくなります」と話していました。
募金活動で硬貨を取り扱う団体からは戸惑いの声
駄菓子店の店主「手数料負担すると経営には痛手」
手数料の導入は硬貨を使った決済が多い小規模な商店で影響が出そうです。
東京 江戸川区にある駄菓子店は、あめやガムなど主に100円未満の菓子を販売していて、夕方になると小銭を持った子どもたちでにぎわっています。
消費税込みの価格で販売しているため、客から受け取る代金やお釣りは1円や5円、10円硬貨が多く、これまで店では売り上げ金をゆうちょ銀行の口座に毎日、入金して管理していました。
しかし、17日から導入された手数料には困惑しています。
客1人の1回当たりの支払い、いわゆる客単価の平均は200円ほどで、利益も多くないため、手数料を負担すると経営には痛手になるといいます。
また、キャッシュレス決済についても、スマートフォンを持っていない子どもが多いうえ、決済事業者に支払う手数料負担もあり、導入は難しいと感じています。
「駄菓子屋はるちゃん」の店主、内田春江さんは「子どもたちは1円玉や5円玉で支払うので、すぐに硬貨がたまってしまいます。キャッシュレス決済も難しく、困っています」と話していました。
東京 江戸川区にある駄菓子店は、あめやガムなど主に100円未満の菓子を販売していて、夕方になると小銭を持った子どもたちでにぎわっています。
消費税込みの価格で販売しているため、客から受け取る代金やお釣りは1円や5円、10円硬貨が多く、これまで店では売り上げ金をゆうちょ銀行の口座に毎日、入金して管理していました。
しかし、17日から導入された手数料には困惑しています。
客1人の1回当たりの支払い、いわゆる客単価の平均は200円ほどで、利益も多くないため、手数料を負担すると経営には痛手になるといいます。
また、キャッシュレス決済についても、スマートフォンを持っていない子どもが多いうえ、決済事業者に支払う手数料負担もあり、導入は難しいと感じています。
「駄菓子屋はるちゃん」の店主、内田春江さんは「子どもたちは1円玉や5円玉で支払うので、すぐに硬貨がたまってしまいます。キャッシュレス決済も難しく、困っています」と話していました。
なぜ手数料?
ゆうちょ銀行が、手数料の導入を決めた理由のひとつには、硬貨の枚数を数える専用機器の維持コストが膨らんでいたことがあります。
ゆうちょ銀行では、店舗の窓口で硬貨の預け入れや振り込みを受け付けると「オートキャッシャー」と呼ばれる専用の機器で、硬貨の種類ごとに枚数を数え、合計金額を計算します。
ATMにも同じような機能を持つ機器があります。
ただ、古くなった硬貨が、変形していたり汚れがついていたりした場合、機器が故障しやすくなります。
そして、ここ最近は、故障が急激に増えていたということです。
銀行では、ほかの金融機関で硬貨の取り扱い手数料の導入が相次ぐ中、これまで無料だったゆうちょ銀行に硬貨を持ち込む顧客が増えたことや、新型コロナウイルスの感染拡大で在宅時間が増える中、自宅でためていた「小銭貯金」を預け入れる顧客が相次いだことで機器を動かす回数が増え、故障が多くなったとみています。
故障した機器の修理費に加え、持ち込まれた硬貨の輸送や保管にもコストがかさむようになり、負担は年間数億円にのぼっていたということです。
一方、ゆうちょ銀行は、大規模災害の被災者に対する義援金は手数料の対象外にする方針です。
ただ、今後は義援金や寄付金ごとに、事情を考慮して扱いを判断するということで、個別に問い合わせに応じるとしています。
ゆうちょ銀行では、店舗の窓口で硬貨の預け入れや振り込みを受け付けると「オートキャッシャー」と呼ばれる専用の機器で、硬貨の種類ごとに枚数を数え、合計金額を計算します。
ATMにも同じような機能を持つ機器があります。
ただ、古くなった硬貨が、変形していたり汚れがついていたりした場合、機器が故障しやすくなります。
そして、ここ最近は、故障が急激に増えていたということです。
銀行では、ほかの金融機関で硬貨の取り扱い手数料の導入が相次ぐ中、これまで無料だったゆうちょ銀行に硬貨を持ち込む顧客が増えたことや、新型コロナウイルスの感染拡大で在宅時間が増える中、自宅でためていた「小銭貯金」を預け入れる顧客が相次いだことで機器を動かす回数が増え、故障が多くなったとみています。
故障した機器の修理費に加え、持ち込まれた硬貨の輸送や保管にもコストがかさむようになり、負担は年間数億円にのぼっていたということです。
一方、ゆうちょ銀行は、大規模災害の被災者に対する義援金は手数料の対象外にする方針です。
ただ、今後は義援金や寄付金ごとに、事情を考慮して扱いを判断するということで、個別に問い合わせに応じるとしています。