国境封鎖の北朝鮮から中国に貨物列車 貿易本格再開は不透明

北朝鮮が新型コロナウイルスへの感染対策として国境を封鎖し貿易を大幅に制限する中、北朝鮮と中国の間で貨物列車が運行されたことが中国の当局者などへの取材で分かりました。
ただ、変異ウイルスの感染拡大を警戒する両国がこれをきっかけに貿易を本格的に再開するかは、なお予断を許さない状況です。

北朝鮮は新型コロナウイルスへの感染対策として、おととしから2年近く国境を封鎖していますが、最大の貿易相手国の中国との取り引きも大幅に制限することで、経済への打撃が広がっています。

こうした中、16日午前に北朝鮮北西部のシニジュ(新義州)側を出発した貨物列車が、中国東北部の丹東に到着したことが中国の当局者などへの取材で分かりました。

詳しいことは分かっていませんが、韓国の通信社、連合ニュースは消息筋の話として「貨物列車は中国で医薬品や生活必需品などを積み、あす北朝鮮側に戻る模様だ」と伝えています。

一方で、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記は、ことしの国政運営の方針を示す演説の中で感染対策を「最優先の国家事業」と強調したほか、北京オリンピックを控えた中国も変異ウイルス、オミクロン株の感染拡大を警戒し防疫態勢を強化しています。

このため、今回の貨物列車の運行が直ちに双方の本格的な貿易の再開につながるかは、なお予断を許さない状況です。