トンガ 現地被害は不明 大規模噴火でネットや電話つながらず

南太平洋のトンガ付近で大規模な噴火が発生してから丸一日がたちましたが、現地の詳しい被害の状況はわかっていません。トンガに駐在するニュージーランド政府の高官は「複数の人の行方が分からなくなっているとの情報があり、首都ヌクアロファ西部の沿岸部が特に深刻な被害を受けた」としていて、各国が引き続き情報の収集を進めています。

南太平洋のトンガの首都、ヌクアロファから北に65キロほど離れた場所にある海底火山で、15日午後に大規模な噴火が発生しました。

ハワイにある太平洋津波警報センターによりますと、この噴火によってトンガで最大およそ80センチの津波が観測されたほか、バヌアツでおよそ1メートル40センチ、フランス領のニューカレドニアではおよそ1メートル10センチ、アメリカ領サモアでおよそ60センチ、さらに南米チリでも1メートルを超える津波が観測されました。

太平洋津波警報センターは、トンガの周辺国や太平洋に面する国々に、津波への警戒・注意を呼びかけていましたが、日本時間の正午ごろ、津波のおそれはなくなったとして呼びかけを解除しました。
各国のメディアは、噴火から丸一日がたったいまもトンガのほとんどの地域で電話やインターネットがつながらない状態が続いていると伝えていて、詳しい被害の状況はわかっていません。

こうしたなか、トンガに駐在するニュージーランド高等弁務官代行のピーター・ルンド氏は16日午後、衛星電話でニュージーランドのテレビ局の取材に応じ「トンガ政府は今のところ死者やけが人がいるとの情報を発表していないが複数の人の行方が分からなくなっているとの情報がある。首都ヌクアロファ西部の沿岸部が特に深刻な被害を受けた」と話しています。

現地邦人に「被害情報なし」も情報インフラ使用不能

日本の外務省によりますと、トンガには2020年4月の時点で、35人の在留邦人がいて、今のところ邦人の被害の情報は入っていないということです。

また現地は広範囲が浸水し、情報インフラが使えなくなっているということで、現地の日本大使館とは衛星電話で連絡をとり、状況の確認を急いでいるということです。

外務省によりますと、トンガにはおよそ40人の在留邦人の届け出があり、現地の日本大使館が個別に電話をして安否の確認を進めているということです。

これまでのところ、被害の情報は入っていないということです。

また現地では広い範囲が水につかり、情報インフラが使えなくなっているということで、現地の日本大使館とは衛星電話で連絡をとり状況の確認を急いでいるということです。

南太平洋の島国 トンガ王国とは

トンガ王国はおよそ170の島からなる南太平洋の島国で、人口は10万人余りです。

主な産業は農業や漁業ですが、国の財政はオーストラリア、日本、ニュージーランドなどからの援助に大きく依存していて、オーストラリアやニュージーランドなどに働きに行く人も多くいます。

また他の南太平洋の島国と同様、気候変動の影響も深刻で、海面の上昇による低い土地の浸水などが懸念されています。

外務省のホームページによりますと、2020年4月の時点でトンガには35人の在留邦人がいるということです。

JICAトンガ支所の邦人と現地スタッフ“全員無事”

JICA=国際協力機構によりますと、JICAトンガ支所では邦人と現地スタッフの全員の無事が確認されているということです。

高知在住のトンガ出身男性「現地の家族と連絡とれず」

トンガの火山島で大規模な噴火が発生し、電話やインターネットがつながらないなど依然として被害の実態がわからないことについて高知県に住むトンガ人の男性は「噴火のあと停電が起きていて、家族と連絡がとれていないが、大丈夫と思うしかない」と不安な胸の内を語りました。

トンガの首都ヌクアロファがあるトンガタプ島から南東におよそ40キロのエウア島出身で高知県須崎市で漁師をしているテビタ・マカシニさんは「今回は大きな噴火で衝撃波がすごかったと聞いている。噴火のあと停電が起きていて、家族と連絡がとれていないが、大丈夫と思うしかない」と不安な胸の内を語りました。

また、噴火した海底火山に近いトンガタプ島については「火山灰や軽石の被害のほか、畑への影響や水が汚染されていないか心配です」と話していました。

トンガ出身のラグビー選手「家族と連絡がとれず心配」

ラグビー、リーグワンの三重ホンダヒートに所属するトンガ出身のヴィリアミ・アフ・カイポウリ選手は「家族と連絡がとれず、どうなっているかもわからなくて、心配しているし悲しい」と心境を語りました。

三重ホンダヒートのヴィリアミ・アフ・カイポウリ選手はトンガ出身の24歳です。16日、三重県鈴鹿市で行われたチームの今シーズンの開幕戦に先発で出場し、後半18分にトライをあげるなどしてチームの勝利に貢献しました。

試合後の記者会見に出席したカイポウリ選手は「家族と連絡がとれず、どうなっているかもわからなくて、心配しているし悲しい気持ちもあったが、みんなのために頑張ろうと試合に集中した。しっかり勝ててうれしかった」と話しました。そして「トンガのみんながちょっとでもいい環境に戻れるよう願っています」とふるさとへの思いを語りました。

またトンガ出身でラグビーのリーグワン、近鉄に所属する日本代表のシオサイア・フィフィタ選手は自身のインスタグラムに「家族と連絡取れない」と不安な気持ちをつづっています。

東大阪市に本拠地を置く近鉄のシオサイア・フィフィタ選手は自身のインスタグラムで津波とみられる映像を引用したうえで「家族と連絡取れない」などと不安な気持ちをつづっています。

さらにリーグワンで神戸市に本拠地を置く、コベルコはチームの公式インスタグラムで「私たちはトンガの皆さんの安全を願っています。皆さん安全を祈っています」と投稿しました。チームには、トンガ出身の選手は日本代表の中島イシレリ選手と日本代表経験があるアタアタ・モエアキオラ選手が所属していますが、いずれも現地の家族と連絡が取れない状況だと話しているということです。

外務省 トンガでは火山灰の影響で外出しないよう注意喚起が

外務省は、現地の日本大使館を通じて把握したトンガの状況を16日午後、海外安全情報として発信しました。

それによりますと火山活動は現在も継続しトンガ政府による津波警報は引き続き発出されているとしています。また、火山灰の影響があるとして、当局から住民に対し、外出時のマスク着用や子どもはとりわけ影響が大きいことから外出しないよう注意喚起が行われているということです。さらに雨水タンクからの取水は避けて、ミネラルウォーターの使用が呼びかけられていると伝えています。

そしてトンガ国内では、インターネットがつながらず、国際電話も通じない状況になっているとして、現地の日本大使館は、在留邦人に対しラジオなどを通じて最新情報の入手に努めるよう呼びかけているということです。