大阪 ビル放火事件 死亡の容疑者 スマホに事件準備の記述

大阪北区のビルに入るクリニックが放火され、巻き込まれた25人が死亡した事件で、容疑者が事件の前、税金の滞納が理由で所有する土地と建物を一時期、差し押さえられていたことが分かりました。
経済的に困窮していたとみられ、警察は生活状況を調べるなど事件に至るまでのいきさつを捜査しています。

先月17日、大阪北区曽根崎新地のビルの4階にある心療内科のクリニックが放火された事件では、巻き込まれた25人が死亡、1人が重体になっています。

警察はこの26人とは別に、一酸化炭素中毒で重篤な状態となっていた谷本盛雄容疑者(当時61)について、殺人と放火の疑いで捜査していましたが、先月30日、入院先の病院で死亡しました。

登記簿によりますと、谷本容疑者は大阪西淀川区など2か所に、購入したり相続したりした土地と建物を所有していましたが、平成28年と令和元年に税金の滞納が理由で、相次いで一時期差し押さえられていたことが分かりました。

捜査関係者などによりますと、このうち西淀川区の住宅は貸し出して家賃収入を得ていましたが、最近になって借りていた住人が引っ越したため、収入が途絶えていたということです。

また、事件の前に生活保護の受給について大阪市に相談していましたが、受給には至らなかったということです。

経済的に困窮していたとみられ、警察は生活状況を調べるなど事件に至るまでのいきさつを捜査しています。

容疑者のスマホから事件準備の記述 去年6月から計画本格化か

大阪のビルでクリニックが放火され、巻き込まれた25人が死亡した事件で、現場から見つかった容疑者のスマートフォンを警察が解析したところ、去年6月以降、現場の下見など事件の準備に関する記述が残されていたことがわかりました。

警察は、この時期から計画を本格化させたとみて捜査しています。

警察によりますと、現場の焼け跡からは去年5月に契約された容疑者のスマートフォンが見つかり、警察が解析したところ、スケジュール管理のためのアプリには去年6月から事件当日にかけて、現場の下見など事件の準備に関する記述が残されていたということです。

警察はアプリへの書き込みが始まった去年6月以降、計画を本格化させたとみて捜査を進め、今後、容疑者を書類送検する方針です。

スマホ内の記述は

谷本容疑者のスマートフォンに残されていた記述です。

9月9日には「20時54分、踊り場のドアが閉まった。21時13分、先生が1階入り口から出てきた」と夜間のクリニックを下見していたような内容が書かれていました。

事件が起きたのと同じ金曜日の10月22日には「心療内科9時58分までに合計22人一気に入ってきた。10時1分、踊り場のドアを受付の人が開けた」と記入されていました。

金曜日の午前中は仕事への復帰を目指す人たちを支援する「リワークプログラム」が予定され、多くの人で混み合う時間帯をねらった疑いが持たれています。

事件のおよそ2週間前の先月(12月)2日には「20リットル携行缶にガソリンを買った」と書かれ、事件前日には「自宅を出発、コインロッカーに10リットルポリタンクを入れる。扉上部にガムテープを貼って」などと記されていました。

そして、事件当日には「ライターに火がつくか確認する。スマホ位置情報をオフにする。果物ナイフを必ず持って行く」と記されていたということです。