大学入学共通テスト“体調不良 濃厚接触者に…”こんなときは?

「大学入学共通テスト」が15日から始まります。出願者は53万人で、全国677の会場で実施されます。しかし新型コロナの感染が急速に拡大する中での試験…
「当日に体調不良になったけど受験できるの?」
「受験に当たって注意点はあるの?」
「テストを受けられなかったらどうするの…?」

さまざまな不安を抱えている受験生も少なくないかもしれません。そんな時のために知っておいてほしい情報をまとめました。

■出願者は約53万人

「大学入学共通テスト」は大学入試センター試験に代わって去年から始まり、出題方法はこれまでと同じマークシート方式ですが内容は思考力や判断力がより重視され、知識偏重ではなくみずから考えて表現する力が問われます。

本試験が15日・16日の2日間の日程で行われ、全国677の会場でおよそ53万人が受験する予定です(追試験は今月29日と30日に実施)。
14日は各地の会場で準備が行われ1700人余りが受験予定の東京 渋谷区の青山学院大学では、職員たちが
▽席の間隔を空けて受験番号を貼ったり
▽マスク着用などの注意点を掲示したりしていたほか
▽受験生が体調不良を訴えた場合に備え看護師が待機する救護所を設けるなど
感染対策を徹底していました。

■試験当日 体調不良になったら…

もし試験当日に次のような体調不良が見られた場合どうすればいいのか…?

大学入試センターが対応についてまとめています。

1. 受験できないケース

▽37度5分以上の発熱の症状がある
▽息苦しさがある
▽強いだるさがある
この3項目のいずれかに該当する場合、受験できません。

また
▽味を感じない
▽臭いを感じない
▽咳の症状が続いている
▽のどの痛みが続いている
▽下痢をしている(持病や食あたりなど新型コロナ以外の原因と思われるものを除く)
こうした項目のうち2項目以上に該当する場合も受験できません。

2. “無理せず追試験の申請を”

共通テストを実施する大学入試センターは、体調不良の場合は無理せず追試験の申請をするよう呼びかけています。

■本試験・追試験 両方を受けられなかったら…

新型コロナに感染したり、濃厚接触者になったりして共通テストを受けられなかった…

こうした受験生はどうすればいいのか…?
文部科学省は各大学に対し個別入試の結果で合否判定するよう異例の要請を行いました。
具体的には共通テストを利用する大学などに対し
▽今月15日と16日の本試験と
▽今月29日と30日の追試験の
両方を受けられなかった受験生のため、個別入試を利用して合否を判定するよう求めています。

■濃厚接触者とされたら…

新型コロナの変異株、オミクロン株の感染拡大が懸念されています。

もし保健所から濃厚接触者とされた場合は受験できるのか…?
次の4つの要件を満たせば受験が認められます。
▽保健所が実施するPCR検査などで陰性
▽受験当日も無症状
▽公共交通機関を利用せず、人が密集する場所を避けて試験場に行く
▽別室で受験する

【詳細】公共交通機関について
濃厚接触者は電車やバス、飛行機といった公共交通機関を利用した来場は認められていませんが、国は今月になって「タクシー」と「ハイヤー」それに「海上タクシー」は
▽仕切りなどの感染対策が講じられていることや
▽濃厚接触者であることを伝えたうえで予約をするといった
一定の条件のもと認めるとしました。

地域によってはタクシー会社がかぎられるなど手配できない事態も想定されることから、文部科学省では相談窓口の専用ダイヤルを設け国土交通省とも連携しながら手配をサポートすることにしています。

<電話> 03-6734-3317
     03-6734-3321
     03-6734-3323
     03-6734-3343
     03-6734-3763
<メール>gaknyusi@mext.go.jp

■濃厚接触者の受験環境

オミクロン株の感染者の濃厚接触者への対応としては、次のようなことが求められています。

▽ほかの新型コロナの濃厚接触者とは別室であることが望ましいものの試験会場の運営上、困難であれば同じ部屋でもかまわない
▽濃厚接触者の受験生どうしの席を2メートル以上離す

受験会場となる東京 渋谷区の青山学院大学では、濃厚接触者について離れた場所に別室を設けて対応することにしていて、入学広報課の三浦輝さんは「感染拡大で例年以上に不安を抱えている人も多いと思いますが、安心して受けられるよう準備を尽くしているので精一杯頑張っていただきたい」と話していました。

■受験上の注意点

最後に受験上の注意点です。
▽2週間ほど前から体温を測定して健康観察を行い「受験上の注意」の冊子にある「健康観察記録」に記入したうえで試験当日に持参する
▽体調不良の場合は無理をせず追試験の申請をする
▽試験中に明らかに激しいせきを何度もしている場合などは症状を確認後、追試験の申請をしてもらうこともある
▽会場内では常にマスクを正しく着用し鼻と口の両方を確実に覆うこと
▽フェイスシールドやマウスシールドのみでは受験できない
▽休憩時間や昼食の際は会話を極力控える
▽入退室のたびに会場に備え付けられたアルコールなどで消毒を
▽換気のために窓を開けることがあるため上着など防寒着の持参を