英首相 おととし感染拡大中に官邸でパーティー 参加認め謝罪

イギリスのジョンソン首相が新型コロナウイルスの感染拡大で厳しい規制が続いていたおととし、首相官邸で開かれたパーティーに参加していたことを認め謝罪しました。野党などから辞任を求める声が強まっていて、ジョンソン政権は大きな打撃を受けています。

イギリスでは新型コロナの感染対策として外出制限など厳しい規制が続いていたおととし5月、首相官邸の庭でパーティーが開かれジョンソン首相が参加していた疑惑が報じられました。

これについてジョンソン首相は12日、議会下院でみずからが参加していたことを初めて認め謝罪しました。

そして官邸のスタッフに感謝の意を示すため25分間、参加したもので、仕事の一環ととらえていたと釈明し「別のやり方で感謝を伝えるべきだった」と述べました。

これに対し最大野党、労働党のスターマー党首は「パーティーと思っていなかったとはばかげていて国民を侮辱している」などと辞任を強く迫りました。

このほかにも首相官邸や政府の関係者がおととしの春やクリスマスに複数のパーティーを行っていた疑惑が報じられていて現在、政府内で調査が進められています。

こうした状況に与党・保守党内や厳しい規制のために家族や友人をみとることができずに亡くした市民などからも強い批判の声があがっていて、ジョンソン政権は大きな打撃を受けています。

参加認めたパーティーとは…

ジョンソン政権をめぐっては新型コロナウイルスの感染対策として厳しい規制が続く中、複数のパーティーなどが行われていたと伝えられています。

今回、首相が参加していたと認めたパーティーは、おととし5月20日、首相官邸の庭で行われました。

イギリスの民放、ITVが入手した首相の側近から100人以上のスタッフに送られたとされるメールでは「忙しい時間が続きましたが、すばらしい天気を思う存分楽しみ距離をとって飲みましょう。自分でお酒を持参してください」という内容がつづられています。

この時点でイギリスでは厳しい制限が続いていてパーティーが行われた日の記者会見でジョンソン政権の閣僚は市民に対し、屋外の公共の場で家族以外で会えるのは1人だけだと強調していました。

ほかにもパーティーやイベント

またおととし5月の別の日に首相官邸の庭でジョンソン首相がワインを飲みながらスタッフなどと歓談したとされる写真が明らかになっているほか、おととしのクリスマスの時期に官邸などでパーティーやイベントが行われていたと伝えられていて現在、政府高官による調査が進められています。