オミクロン株 ワクチンで軽症でも10日ほどウイルス残る可能性

新型コロナウイルスのオミクロン株に感染した人はワクチンを接種していても、10日間ほどは一般的に行われているPCR検査で陽性になる可能性があると国立国際医療研究センターなどのグループが報告しました。
ワクチンによって症状が軽くても接種していない人と同じ程度の期間、ウイルスが残っている可能性があり、感染対策をとることが重要だとしています。

国立国際医療研究センターなどのグループはオミクロン株に感染した1歳から64歳の患者11人について、連日PCR検査を行って調べました。
PCR検査ではウイルスの遺伝子の一部を増幅させ、国内では増幅の回数が35回程度で遺伝子が十分検出されると新型コロナウイルスに感染しているとされます。
患者11人のうち、子ども1人をのぞく10人が2回のワクチン接種を受けていて全員が軽症でしたが、35回増幅させても検出されなくなるまで、10.6日かかることが解析の結果分かりました。

グループはワクチンを接種して症状が軽くても、接種していない人と同じ程度の期間、ウイルスが残っている可能性があり、引き続きマスクの着用や換気など感染対策を行うことが大事だとしています。

研究をまとめた齋藤翔医師は「患者は軽症だったが、ある程度の期間ウイルスを排出してしまうので、家庭などで高齢者に感染させることは十分ありうる。リスクの高い人への感染を減らす行動が必要だ」と話しています。