中国 コロナの“有効な陰性証明”なく妊婦が死産 地元当局謝罪

中国内陸部、陝西省の西安で、新型コロナウイルスの感染対策としてすべての市民を対象にした厳しい外出制限が続く中、有効な陰性証明を持っていなかったとして妊婦が病院で診療を受けられず、死産する事故が起きました。
地元当局は対応に問題があったと謝罪し、中国政府も状況の改善に乗り出しました。

中国の西安では先月以降、新型コロナのデルタ株の感染が拡大し、およそ1300万人のすべての市民を対象に、外出を厳しく制限する措置が2週間以上にわたってとられています。

こうした中、地元メディアによりますと、今月1日の夜、妊娠8か月の女性が腹痛を訴え市内の病院を訪れたところ、PCR検査の陰性証明の有効期限が切れているという理由で屋外でおよそ2時間待たされ、その後、女性は出血して死産したということです。

この状況を、女性の親族だという市民がSNSに投稿したところ、大きな批判の声が上がり、西安の保健当局のトップが6日の記者会見で、対応に問題があったとして謝罪しました。

さらに、中国政府も孫春蘭副首相が、医療機関に対しPCR検査の証明の有無にかかわらず、治療が必要な患者を受け入れるよう改善を指示しました。

西安では、1日当たりの感染者数は減少傾向にあるものの、これまでに1900人を超える感染者が確認され、外出制限が長引く中、市民の不安が広がっています。