北朝鮮 北京五輪・パラ 不参加の方針発表 感染拡大など理由に

来月と3月からそれぞれ始まる北京オリンピックとパラリンピックについて、北朝鮮は7日、国営メディアを通じ、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大しているなどとして、参加しない方針を発表しました。一方、大会について「成功することを確信している」として支持する考えを強調しています。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は7日、来月と3月からそれぞれ始まる北京オリンピックとパラリンピックについて、北朝鮮体育省などが5日大会の組織委員会などに書簡を渡し、大会に参加しない方針を伝達したと伝えました。

大会に参加しない理由について新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大しているほか、アメリカなどが大会の成功を阻もうとしているとしています。

書簡の中では大会に政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」を念頭に「アメリカと追従勢力の中国への陰謀がより悪質になっている。中国の国際的なイメージを傷つけようとする卑劣な行為で排撃する」と主張しています。

一方、大会については「成功することを確信している」として支持する考えを強調しています。

北朝鮮は去年の東京大会にも参加しませんでしたが、IOC=国際オリンピック委員会は去年9月、北朝鮮のオリンピック委員会について「大会への参加を義務づけているオリンピック憲章を侵害した」として、ことし末まで資格停止処分にしました。

ただ、予選を突破した選手については扱いを検討するともしていて、最大の支援国である中国で行われる大会だけに、動向に関心が集まっていました。

中国外務省「北朝鮮の支持や応援に感謝」

北朝鮮が、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大しているなどとして北京オリンピック・パラリンピックに参加しない方針を発表したことについて、中国外務省の汪文斌報道官は7日の記者会見で「北朝鮮が特殊な要因で北京オリンピックに参加できないことは十分に理解している」と述べました。

そのうえで汪報道官は「北朝鮮が、盛大ですばらしいオリンピックの開催に向け、中国に対して支持や応援をしてくれていることに感謝する」と述べ、謝意を示しました。