濃厚接触者の受験 一定条件下 タクシーなどの利用認める方針

新型コロナの感染者の濃厚接触者について、文部科学省は公共交通機関を利用しないことを受験の要件に挙げていましたが、自家用車などで来場できない受験生もいるとして、一定の条件のもとタクシーやハイヤーなどの利用も認める方針を固めました。

文部科学省はこれまで、オミクロン株を含む新型コロナの感染者の濃厚接触者について、受験の際には▽自治体のPCR検査などで陰性が証明され、▽受験当日も無症状で、▽電車やバス、タクシーなどの公共交通機関の利用を避けて来場し、▽別室で受験することを要件に挙げていました。

しかし、公共交通機関を利用しないという要件は自家用車の有無といった家庭の事情によって制約が生じ、公平な受験機会を確保できないおそれがあったことから、文部科学省は先月末から国土交通省などと検討を進めていました。

その結果、「タクシー」と「ハイヤー」それに「海上タクシー」については、仕切りなどの感染対策が講じられていることや、濃厚接触者であることを伝えたうえで予約をするといった一定の条件のもと、無症状の濃厚接触者の受験生が来場する際の利用を認める方針を固めたことがわかりました。

今月15日には全国で50万人以上が出願している「大学入学共通テスト」が始まることから、文部科学省は近く新たな方針を全国の大学などに通知することにしています。

末松文部科学相「1人でも多く 受験させてあげたい」

末松文部科学大臣は閣議のあとの記者会見で「感染拡大防止の観点は重要だと考えているが、一生の中で非常に大事なことで、受験の機会の確保のためより配慮ができないかという思いから事務方に検討を指示し、総理大臣官邸をはじめ厚生労働省や国土交通省などの関係省庁とも調整が整った。あくまでも1人でも多くの受験生を受験させてあげたいということからで、理解をいただきたい」と述べました。