ことし最大のリスク “中国 ゼロコロナ政策失敗” 米調査会社

国際情勢を分析しているアメリカの調査会社「ユーラシア・グループ」は、「ことしの10大リスク」を発表し、最大のリスクとして、中国が進める「ゼロコロナ」政策が失敗し、世界経済が混乱する可能性をあげました。

「ユーラシア・グループ」は3日、「ことしの10大リスク」を発表し、最大のリスクとして新型コロナウイルスの感染を徹底して封じ込めるため中国が進める「ゼロコロナ」政策が失敗する可能性をあげました。

この中では「『ゼロコロナ』政策はおととしの時点では、信じられないほど成功していたように見えたが、現在はより感染力の強い変異株とのたたかいとなっている」と指摘しています。

そのうえで「中国は封じ込めに失敗してより大きな感染を引き起こし、その結果、深刻な都市封鎖につながるだろう」として、「ゼロコロナ」政策の失敗によってサプライチェーン=供給網への影響など、世界経済が混乱する可能性を指摘しています。

また、2番目のリスクとしては「巨大IT企業に強く影響される世界」をあげ「個人が職場でも家庭でもより多くの時間をデジタル空間で過ごす」としたうえで、巨大IT企業が「人々の経済活動や社会における機会を決定し、考え方にまで影響を与える」などと指摘しています。

3番目には「アメリカの中間選挙」をあげています。

「ことしの10大リスク」は

アメリカの調査会社「ユーラシア・グループ」が発表した「ことしの10大リスク」は、以下のとおりです。

(1)ゼロコロナ政策の失敗
中国の「ゼロコロナ」政策の失敗が世界経済に大きな影響を与える。

(2)巨大IT企業に強く影響される世界
巨大IT企業が世界全体や個人の考え方にまで大きな影響を与える。

(3)アメリカの中間選挙
中間選挙をめぐる共和党、民主党双方の動き。

(4)中国の内政
習近平国家主席が進める国内政治。

(5)ロシア
ウクライナ情勢などをめぐるロシアの動向。

(6)イラン
核開発計画などをめぐるイランの動向。

(7)2歩進んで1歩下がる環境政策
長期的な脱炭素社会への目標と短期的なエネルギー需要の衝突。

(8)世界の力の空白地帯
アフガニスタンやミャンマー、エチオピアなどの情勢。

(9)文化戦争に敗れる企業
企業が環境や人権問題などの対応をせまられ、より多くの時間やお金を使わなければならなくなる。

(10)トルコ
エルドアン大統領が進める政策の動向。