日経平均株価 終値 年末の株価としては32年ぶりの高い水準

30日の東京株式市場、日経平均株価は小幅に値下がりしてことしの取り引きを終えました。終値は、去年の年末と比べると1300円余り値上がりし、年末の株価としては1989年以来、32年ぶりの高い水準となりました。

日経平均株価、30日の終値は29日より115円17銭、安い、2万8791円71銭。

東証株価指数=トピックスは6.66下がって、1992.33。

一日の出来高は7億2984万株でした。

ことしの株式市場は、2月に日経平均株価が30年6か月ぶりに3万円台を回復しましたが、コロナの影響が長期化し、定着しませんでした。

9月に再び3万円を超えてことしの最高値となりましたが、中国経済の先行き懸念や原油価格の高騰、欧米でのインフレのほか最近ではオミクロン株の感染拡大が相場の重しとなり、一進一退が続く展開となりました。

日経平均株価の30日の終値は、去年の年末と比べて1347円余り、率にして4.9%上昇し、年末の株価としては1989年以来、32年ぶりの高い水準となりました。

市場関係者は「年末年始の帰省などで国内でも感染者数が増えるのではないかという懸念から、きょうは航空や鉄道などの銘柄を中心に売り注文が優勢となった。当面はオミクロン株をめぐる動向に株価が左右される展開が続きそうだ」と話しています。

東京証券取引所で「大納会」

ことしの大納会は、昨年に引き続き、新型コロナウイルスの影響で、出席者を大幅に減らして行われました。

はじめに、東証を傘下に持つ日本取引所グループの清田瞭CEOが「本年も昨年に続き新型コロナの感染拡大とその対応に追われた1年だった。直近ではオミクロン株の急拡大への警戒感など不安材料も見られるが、年間を通じてみると比較的堅調な相場だった」とことしを振り返りました。

このあと、NHKの大河ドラマ「青天を衝け」の主人公、渋沢栄一を演じた俳優の吉沢亮さんが「渋沢栄一さんの国民が全員幸せになることが、本当の国益で日本経済の発展なんだという思いを1人でも多くの方に届けたい」とあいさつし、五穀豊じょうにあやかり取引所の鐘を5回鳴らして来年の株価上昇を願いました。

そして最後に参加者全員が恒例の「手締め」をして、ことし1年の取り引きを締めくくりました。

コロナ感染状況に大きく左右される1年に

ことしの東京株式市場は、去年に続いて新型コロナの感染状況などに大きく左右される1年となりました。

ことし1月、日経平均株価は2万7000円台からスタート。2回目の緊急事態宣言が出されましたが、ワクチン開発への期待感や経済を下支えするための各国の巨額の財政出動などが追い風となって、株価はしばらく上昇傾向が続きます。

そして、2月15日には日経平均株価の終値が3万円を超え「バブル景気」のさなかの1990年8月以来、30年6か月ぶりの高値をつけました。

しかし、その後は、新型コロナの感染拡大が重しとなり、3万円台は定着しません。

全国的な感染拡大で、4月下旬に3回目の緊急事態宣言が出されたことに加え、ワクチン接種の遅れへの懸念から株価は下落傾向に転じます。

さらに、感染力の強い変異ウイルス「デルタ株」の感染が世界的に広がった影響で、大手自動車メーカーが部品調達が滞ったとして大規模な減産を発表。

8月20日にはことしの最安値となる2万7013円25銭をつけました。

ところが、9月に入ると株価は急ピッチで上昇します。

感染者が減少傾向になったことに加え、当時の菅総理大臣が自民党の総裁選挙への立候補を断念したことをきっかけに、新しい内閣による経済対策への期待感が高まったことで、9月14日には3万670円10銭とことしの最高値をつけました。

そのあとは、中国経済の先行きへの懸念、原油価格の高騰、それにアメリカの金融政策の転換などを受けて株価は一進一退の動きが続きます。

そして11月以降は感染力が強い新たな変異ウイルス「オミクロン株」が世界に広がり、先行きへの警戒感から株価は一時、2万8000円を割り込むなどしました。

ことしの日経平均株価の値幅は3600円余りで、大きく乱高下した去年と比べると限られた範囲での値動きとなりました。

専門家「アメリカなどのインフレ抑制が最大のポイント」

2022年の株価に関する注目点について、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジストは、インフレの抑制、日米の選挙、コロナの3つを挙げました。

藤戸氏は、アメリカなどで進むインフレをどう抑制するかが最大のポイントだと指摘したうえで「物価のコントロールがFRBの利上げでうまくいき、サプライチェーンの混乱も落ち着く場合は、年後半は再び世界の株価は上昇すると考えている。ただ、物価のコントロールがうまくいかないのではないかと見られたときは、大きく下がる局面もありえるだろう」と話しています。

また、来年夏の日本の参議院選挙と秋のアメリカの中間選挙の結果も重要だとして「政治が混迷してしまうと政策発動がうまくできなくなってしまう。これは必ず経済、そして企業業績にも影響を与えるので、当然のことながら株価にとってもマイナスだ」としています。

3点目のコロナについては「航空会社や鉄道会社あるいは旅行関係、こういった業界がノーマルなビジネスに戻れる、コロナのことを心配しなくていいという状況になるには相当時間がかかる。経済自体が腰折れしてマイナス成長になってしまうシナリオを描く必要はないと思うが、依然としてコロナの影響が生活や企業業績の中に反映してくるだろう」と話しています。