オミクロン株【24日まとめ】国内で10人確認 空港検疫でも16人

新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」に東京都、京都府、大阪府、それに山口県で合わせて10人の感染が確認されました。

また今月18日から21日にかけて日本に入国した16人が、新型コロナの変異ウイルス「オミクロン株」に感染していることが新たに確認されました。

24日の全国の状況についてまとめました。

厚生労働省によりますと、オミクロン株への感染が確認されたのは今月18日から21日にかけて成田空港と関西空港から入国した10代から50代までの男女合わせて16人です。

アメリカ、イギリス、イタリア、カナダ、ケニアなどに滞在歴があり、空港の検疫や待機中の宿泊施設で受けた検査で新型コロナウイルスの陽性反応が出ていたということです。

これで国内でオミクロン株への感染が確認された人は合わせて226人となりました。

東京都 初の“市中感染”1人確認 ほかに海外から帰国の3人も

東京都内で、海外への渡航歴がなく感染経路がわかっていない医師1人が、オミクロン株に感染していることが確認され、都は都内で初めての市中感染になるとしています。
都は医師が診察の際、感染防止策を講じていたため、患者は濃厚接触者に該当しないとしていますが、オミクロン株の感染力を考慮して勤務先のクリニックの従業員と受診した患者に対し、検査を受けるよう呼びかけています。

オミクロン株の感染が確認された人と同じ航空機に乗って入国し、濃厚接触者とされた人は、都内で2000人を超えました。このうち、宿泊療養施設に入っているのはおよそ3分の1で、都は、万が一感染していても気がつかないまま自宅で待機するとウイルスを広げるおそれがあるとして、宿泊療養施設に入るよう呼びかけています。

京都府では新たに3人 いずれも市中感染か

感染が確認されたのは、30代の女性2人と、50代の男性1人の合わせて3人です。いずれも海外への渡航歴はなく今のところ感染経路も分からないということで、京都府はいわゆる市中感染の可能性が高いとみています。また3人のうち女性2人は同じ職場だということです。

大阪府 新たに2人感染確認

大阪府の吉村知事は記者団に対し、府内在住の2人の感染が新たに確認され、1人は22日に感染が確認された3人の家族で、もう1人は海外からの帰国者であることを明らかにしました。

大阪では「無料検査」が始まる

大阪府は、新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」の市中感染が広がっている可能性があるとして、感染への不安を感じる府民を対象にした無料の検査を24日から始めました。
無料の検査は大阪府内の薬局や民間の検査機関など100か所以上で行われ、症状はないものの感染への不安を感じる府民が対象です。このうち大阪 西区の薬局では、24日夕方までに100件ほどの問い合わせがあり、およそ30人が検査を受けました。
数日後に結果がわかるPCR検査と、20分ほどでわかる簡易的な抗原検査が行われていて、このうちPCR検査はキットが品切れとなり25日以降の入荷を待っているということです。

山口県でも1人の感染確認 中国地方では初

山口県はアメリカ軍岩国基地に勤務する30代の日本人の男性1人が新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」に感染していることが確認されたと発表しました。中国地方でオミクロン株の感染確認は初めてです。

岸田首相 “東京でも無料検査受けられるようにする”

大阪、京都に続いて東京でもオミクロン株の市中感染が確認されたことを受け岸田総理大臣は記者団に「オミクロン株の早期探知の徹底と、濃厚接触者の宿泊施設での待機要請を柱とする封じ込め対策を実行していく」と述べました。そのうえで、東京でも感染に不安を感じて希望する人は無料で検査を受けられるようにする考えを示しました。

山際新型コロナ対策相 “感染拡大なら行動制限強化も”

オミクロン株の市中感染とみられるケースが相次いでいることについて、山際新型コロナ対策担当大臣は、現段階で行動制限を行う考えはないとする一方、今後、感染が広がった場合は、行動制限の強化も検討する必要があるという認識を示しました。

急増する「オミクロン株の濃厚接触者」

「オミクロン株」の感染が海外からの入国者を中心に相次ぐなか、厚生労働省によりますと感染がわかった人と同じ飛行機に乗っていて濃厚接触者とされた人は、23日午前0時時点で全国で合わせて7819人で、20日と比べて2倍以上に増えています。

オミクロン株の濃厚接触者は

「オミクロン株」の感染者の濃厚接触者について、国は都道府県が用意した宿泊施設で14日間待機するよう要請していて、対象となった人の中からは、事情は理解できるものの精神的な負担が大きいといった声も出ています。

このうち都内の30代の男性はケニアから今月14日に帰国しました。

当時ケニアは、帰国後に施設での待機が必要な国ではなかったため、はじめは自宅で待機していましたが、保健所から、同じ飛行機の乗客にオミクロン株の感染者が出たという連絡を受けて、今月19日にホテルへ移ったということです。

男性は、連絡を受けたときの心境について「自宅にちゃんといてアプリでの居場所や健康状態の確認も行い、検査でも何の問題もないのに、えーという感じでした。あすから施設に行ってもらうと言われ、準備するにも何を持って行けばよいのかどんな感じなのか説明もなく、自宅隔離で済むのであれば、済ませて頂きたいという風には思いました」と話していました。
男性は、ホテル内でオンラインで仕事をするなどして過ごしているということです。

また毎日2回、体温や酸素飽和度を計測して備え付けられたスマホに入力し、体調に異常がないか看護師から電話で確認を受けているほか、数日おきにPCR検査を受けているということです。

食事は弁当が出され、種類は選べないものの飽きないようなメニューにする工夫も感じるということです。

男性はホテルでの生活について「弁当を取りに部屋の外に出る時に配っている方がいたら、まだ出ないでくださいと言われたりします。しかたないとは思いますが、ずっと監視されているような環境にいるのは結構、精神的につらいです。体調に何も問題もないのにずっと隔離されるのはやり過ぎなんじゃないかと感情的に納得いかない部分はありますが、ちゃんと言われたことを守って生活するしかないと思います」と話しています。

一方、男性は「自宅待機のままでも済んだという話をあとから聞きました。特例を認めるのであれば、透明性のあるルールの決め方をしてほしいです」と話していました。

専門家「体調悪い人は帰省しないで 帰省の場合も検査を」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで東邦大学の舘田一博教授は、オミクロン株について「いまはまだ、市中感染が点として見えている状況だが、油断すると点が線となり、面となって広がってしまう。この年末年始はオミクロン株が広がりつつあるという状況をしっかりと認識して、一人ひとりが感染対策を徹底することが重要になる。イギリスなどから病原性が少し低下しているのではないかという報告も出ているが、感染力が非常に高いことを考えると、感染者数が急激に増加したときには一定の割合で重症者が出る。自宅療養の人も増えるので受け入れ体制や重症化した場合に速やかに入院できる仕組みを整えることが大事だ」と話しています。

さらに年末年始の帰省について「体調が悪い人は帰省しないことが大事だ。ワクチンを打っていてもブレイクスルー感染が起きる可能性があるため、帰省の際は認証された簡易の抗原検査でたとえば3日に1回など、繰り返し陰性を確認することも重要だ」と述べワクチンに加え、検査を生かして感染リスクを下げることが重要だという認識を示しました。